イエスかノーか半分か (ディアプラス文庫)
アニメーション作家・都築潮(つづきうしお)×アナウンサー・国江田計(くにえだけい)

《感想》

続編が出たので、慌てて1作目を積読山から掘り出しました。読んでみると…めちゃくちゃ面白い!ここ最近で一押しの、暑さも忘れる面白さでした。もっと早く読めばよかった〜。

収録は中編2作で、どちらも計目線で進みます。面白いのは、計の突き抜けたキャラ。爽やかで人当たりのいい人気アナウンサーの顔と、暴言が炸裂する心の顔、このギャップが激しいんですよ。

これで単に顔だけ人気だけならイヤな奴になるところですが、計は自分にも厳しいトレーニングを科していて。優雅に泳ぐために水面下で必死に足を動かしてます。そしてそんな自分をちゃんと自覚してるから、罵詈雑言もいっそ小気味よく感じられました。

そんな計が都築と最初は仕事で、2度目はその日の夜に素で出会います。立て続けに会ったのに、仕事モードと素のギャップに都築は気付きません。計も、都築の仕事に真面目に取り組む姿と、素のままでいられる心地よさに惹かれ、別人として会い続けることに。

もちろん結局はバレるんですが、そのきっかけが計の「話す言葉」だったのが、いかにもアナウンサーらしいというか。他にも、計が初めて都築に弱音をもらしたシーンでの都築の励まし方とか、どれも設定がうまく活かされてるのがいいですね〜。

テンポよく勢いがあるし、キャラは大好きな計だけじゃなく脇も含めて個性的だし、あっという間に最後まで読み切りました。後半では当て馬っぽいのも登場して、BL的なすれ違いのあとの地固まるもあり、綺麗にまとまってたんですよ。だから続編がでると知ったときは、驚き半分納得半分って感じで。

納得は、やっぱりみんな面白いって思ったんだな〜って。驚きは、きれいに終わった話をどう広げるのか気になったから。1作目が良すぎて、2作目もそれなりなのに期待が大きすぎて残念な結果ってちょこちょこありますもんね。う〜ん、気になる。

ところで。1作目扉絵の台風中継をする計を見て、現実では「これって大丈夫?」って前から思ってて。リアルに伝えたいんだろうけど、物が飛んできたり、突発的な暴風の危険性は大きいはず。ワザと危ない場所に行って「俺ってすごいでしょ」アピールをする無謀な若者と一緒に見えてしまうんですが…。心配性なオバサンなのでした(笑)。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)人気若手アナウンサーの国江田計は極端な二重人格。王子と称される完璧な外面と、「愚民め」が(心の)口癖の強烈すぎる裏の顔を持っている。もちろん誰にも秘密だ。そんなある日、取材で知り合ったアニメーション作家の都築潮と、オフモードの時に遭遇してしまう。幸い都築は、くたびれたジャージにマスクの男があの国江田計とは気づかない。けれど怪我をした都築の仕事を、計はしばらく手伝う羽目になり…?
(Amazon「内容」より)

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