ノーモアベット (ディアプラス文庫)
ディーラー・野木沢一哉(のぎさわかずや)×東京都職員・小嶋逸(こじまいつる)
《感想》
カジノは私にとって未体験ゾーンです。日本に作ろうなんて話も一部で盛り上がってますが、出来たとしてもきっと行かないでしょう。なぜって、めっちゃハマリそうな予感がするから。のめり込むはBLだけで十分だも〜ん(笑)。
本作は、東京にカジノができたパラレル設定。逸は都職員として出向し、一哉はディーラーとして、同じ職場で働いています。二人は、逸父の妹が一哉母という従兄弟同志。でも一哉の親が早くに亡くなったため小嶋家の養子になり、兄弟のように育ちました。
逸の父は本職がギャンブラーで、世界を飛び回っています。家庭よりもギャンブル優先で、かといってオレ様な性格でもなく、逸はそんな父に対し複雑な感情があり距離を置いています。一方の一哉は父について世界を飛び回り、同じ業界に身をおいています。
一哉が家を出たのは逸に対して想いを自覚したせいもあり、逸にすれば一哉は自分よりも父を選んだと感じていました。そう、両想いのすれ違いですね〜。このままこう着状態にみえた状況は、一哉の引き抜き騒動で逸が本音のままに行動し、決着します。
中篇2作の後半は、2人がそれぞれ更に一歩階段を上がる為のあれこれ。目標がはっきりして、より絆も深まったという感じ。主人公達はここ一発で踏ん張る男前で、痛かったり重かったりな展開はなく、するんと読める内容です。
そう、メリハリもあるしとても読みやすかったんですよ〜、ある1点を除いては。それは…逸たちの父親。結局自分のやりたいようにやるくせに、家族に対しては臆病という、私が苦手なタイプのキャラさんでした。
好き勝手してるという自覚があって、だから大切なんだけどビビって逃げる気持ちもわかるんです。でもそれは余計に家族を傷つけ寂しい想いをさせてしまうんだから、せめて一緒にいるときは、腹を括って全力で夫&父親してほしいなぁ。
小嶋母のような太っ腹さが私にあれば、楽しく読めたんでしょうね(笑)。サブキャラがダメで★ひとつマイナスっていうのも、まぁ個人的感想だからありということで。


