猫耳探偵と恋人: 猫耳探偵と助手2 (キャラ文庫)
探偵事務所所長・羽越真人（はねこしまさと）×助手・環光宣（たまきみつのぶ）
※シリーズ物です。既刊感想はこちら→「猫耳探偵と助手」
《感想》
今回も、お手軽2時間サスペンスな展開でした。ほんのちょっと、小さじ一杯程度は、前作より謎解き部分が多少濃くなったかも（笑）。
主人公2人は、すでに恋人としてまとまっています。だから残った伏線は、羽越が警察をやめるきっかけになった元上司の不正を明らかにし、罪を償わせること。だから「倍返し」な展開を期待していたんですが、残念ながら次回以降に持越しです。
今回は、羽越の親友の刑事・等々力に殺人容疑がかかり、それを晴らす為に羽越達ががんばるというもの。環の一人称で話は進みますが、彼は傍観者というか状況を読み手に説明する役割で、目立っていたのは等々力に恋する後輩刑事・箱林。でも愁堂作品ではよく見かける性格だから新鮮味は薄いかも。
「倍返し」がなかった代わりに、新たなネタ晴らしとしては、羽越の両親のことでしょうか。親の反対で結婚できず別の相手とそれぞれ結婚し、親の死後に再婚という、一見純愛な両親です。けれどその陰には離婚された相手たちがいるわけで、どちらの立場で物事を考えるかで印象ががらっと変わるのがちょっと面白かったかな。
ということで、まだまだ続きそうな気配がある本シリーズです。イラストはいつもながら最高に素敵なんですけどねぇ。もし次作があったら買うべきか、悩みどころです。
