黄昏のスナイパー 慰めの代償 (幻冬舎ルチル文庫)
殺し屋・華門饒(かもんじょう)×探偵・佐藤大牙(さとうたいが)
※シリーズ物です。既刊感想はこちら→「暁のスナイパー」「真夜中のスナイパー」「昼下がりのスナイパー」
《感想》
もう4冊目となったスナイパーシリーズ。タイトルの時刻が朝に向かってだんだん遡っていたんですが、今回は黄昏ということで、夕方に逆戻り。2人の関係も逆戻り…なんて事じゃないといいけど。
前回から事件の扱いがオマケになっていましたが、今回もその傾向は顕著で。2時間どころか、1時間お気軽サスペンスでした。そして前回と同様に、大牙の周囲の人間(今回はカマカマネットの一人)の命が狙われ、華門がそれを阻止します。
大牙はというと、今回も探偵としての見せ場はまったく無し。華門と密会してアンアン言ってるか、華門との関係について友人や周りから探りを入れられてどう誤魔化すか悩んで終わりました。探偵っていう肩書きはなくてもいいんじゃないの、って思わず突っ込みかけましたよ〜(苦笑)。
そして華門に執着する林にいたっては、今回は名前のみの登場です。大牙から華門を引き離す為に大牙の周囲を狙ってるんですが、大牙からは悲壮感が感じられなくて。読んでるこちらとしては、ちょっぴり肩透かしです。
そんななか目立ってたのは、大牙の周囲の人間たち。下手すると主人公達よりも目立ってます。あまり厚みの無い=ページ数の少ないしかも文庫だから、これだけ目立つキャラが多いと、主人公の印象が散漫になちゃうんですよね。
ということで、好きなシリーズだからあえて厳しい感想を。水戸黄門的なお決まり展開の繰り返しではなく、愉快な皆さんの漫才トークでもなく、主人公の関係をさらに進めてほしいです。次こそ、大牙も活躍する話が読みた〜い!
幻冬舎 2013-03-15




