魚心あれば恋心 (ディアプラス文庫)
釣り雑誌編集・片瀬俊文(かたせとしふみ)×プロアングラー・日垣清磨(ひがきせいま)
《感想》
清磨という名前を見て「せいま」がぱっと思いつくかどうか試されてるような、ジェネレーション踏み絵の気分になりました。「きよまろ」だった私は、立派なオバサン世代ってことかな。(笑)
漁師BLというのは今までにもちらほら見かけましたが、職業釣り人BLは初めて。最近は増えてきているとはいえ、やはり女子にはちょっと馴染みの薄い分野です。
でもそこは、さすが久我さん。野球選手や芸人など幅広い職業を題材にされてきただけあって、素人でもわかりやすいよう主人公の片瀬をやはりド素人にして、読者にさりげなく解説してくれます。説明が多くなりすぎず、BLが読みたい読者にちょうどいい具合で。
恋に関しては、片瀬も日垣も想いのベクトルがわかりやすくて揺るがないので、すらすらっと読めました。特に日垣は恋愛初心者だけど、行動力というか思い切りの良さはトッププロらしいというか。ベッドでも焼餅でも、全力投球です。かわいいわぁ。
じゃぁなんで★3つかというと、いつもよりも小粒にまとまった感じがしたから。といっても、いつもクオリティが高い久我作品は、ほかの作家さんと比べるとどうしてもハードルが高くなっちゃうんですよ。だからこの作品も決して面白くないとかじゃなくて、好みの問題ですね。きっととても楽しく読んだ人も多いはず。
イラストの文月さんもぴったり合っていていい感じ。でも文月さんの働く男性といえば、やっぱり某シリーズのイラストが気になります。続き、来年は読めるといいなぁ…。
ちなみに「魚はもっぱら食べるもの」な私の釣り体験といえば、釣りにはまっていた友人のお供で何回か行った程度。それも海ではなく、日本一大きな湖のほとりで釣るという可愛いものでした。その頃すでに「キャッチ&リリース」が主流だったので逃がしていましたが、今から考えると、あれはブラックバスだったんですよねぇ。生態系の為には返さない方がよかったのかも。


