BL社長vs腐女子編集 (ゼロコミックス)
※既刊感想はこちら→「BL社長」
《感想》
まさかの第2弾です。雑誌連載作品だから当然なんですが、個人的にはちょっと意外でした。人気あるなら、嬉しいなぁ。
前回はBL業界に飛び込んだ熱血中年社長が主人公でしたが、今回は編集さん側がメイン。この業界を知り尽くして酸いも甘いも噛み分けた、出版社名のごとくアマゾネス並の姉御達(とその予備軍)が主人公です。タイトルから社長とのバトルと思いましたが、社長はほとんど出番なし。それはちょっと残念でした。
相変わらずの三頭身でころころとしたキャラの可愛らしさは、健在です。そしてそのキャラに反して、内容は結構ヘビー。大手出版社のBL業界参入に伴う引き抜き事件や、新人による情報漏えい及び担当作家とのいざこざなど、様々な事件が発生。その内容のリアリティさが、半端無いこと無いこと。実際より面白おかしく描かれてるんでしょうけど、編集さんや作り手さんたちの苦労も垣間見えます。
特に単行本の半分以上を占める新人の話は、いろんな読み方ができます。軽い気持ちで話した情報が無制御に蔓延する怖さ、自分中心の思考の傲慢さ、信頼を築き継続することの難しさ、などなど。これはBLだけじゃなくて、なんにでも共通するテーマだと思います。男女問わずいろんな人にお薦めしたいくらい。
コミックスはモメに揉める展開ですが、みんな根本は「BLが好き」なことは同じなので和解し、いろんな経験を重ねて今以上に前向きにがんばるよ!っていうラスト。その他の合コンの話や社長が頑張る話はコミカルで、箸休め的なかんじでしょうか。とても気持ちよく読了できました。
このシリーズ、これからも続くようなので、コミックス化を楽しみに待ってますよ〜。


