若きフォーブの恋人 (プラチナ文庫)
英国公爵・アンドリュー=マッケンジー×絵画修復師・葉山凛(はやまりん)
《感想》
読了後に「フォーブ」って何?と思って調べたら、手持ちの電子辞書には「野獣」とありました。なるほど。
野獣というのは、本文中で凛がアンドリューのイメージとして使った言葉です。マッケンジー家は伯爵家ながら祖父の絵画収集が原因で没落し、一時期は困窮していました。それを立て直したのが、アンドリューです。そのためアンドリューにとって絵画は憎しみの象徴でした。
一方の凛は天才と呼ばれる天性の絵を見る才能を持っています。祖父の代から続く仕事でマッケンジー家を訪れたんですが、絵画贋作がらみのごたごたに巻き込まれることに。実はこれ、二人のじいちゃんずが残した厄介ごとだったんです。
神経が太い凛が、とっても好みですねぇ。理不尽な強姦にも負けずきっちり自分の仕事をして、アンドリューが惚れるのも納得です。これに対してアンドリューは、凛に贋作の件がばれたからといっていきなり強姦はちょっと…。最初から気に入っていたといわれても、なんだかとってつけた感があります。凛目線で話が進む所為もあるんでしょうが、もうちょっとアンドリューの気持ちの変化が知りたかったなぁ。
ラストに、アンドリューの秘密=実は本当に泥棒していた事がばらされてます。これに関する騒動があるかもしれない、と匂わせて終わってるんですよ。これはリクエストあったら書くわよ〜ってことですよね。ではリクエスト、続編読んでみたいです(笑)。
フランス書院 2010-04-09




