静かにことばは揺れている (幻冬舎ルチル文庫)
リラクゼーションサービス会社社長・綾川寛二(あやかわかんじ)×音叉セラピスト・白瀬乙耶(しらせおとや)

《感想》

ボリュームのある文庫だなぁと思いながら読み始めたら、あれ、なんだか見覚えのある設定じゃありませんか。超後ろ向きな受けが登場した「心臓がふかく爆ぜている」のリンク作でした。前作受けのうじうじ具合は、見事に好みとずれてたので感想も上げなかったんですが、さて今回はどうでしょう。

う〜ん、今回の受けは、どうも言動にちぐはぐ感が。一応最後にネタ晴らしされてますが、でもなんだかよく解らない。この複雑な性格は、ある意味複雑な家庭環境の結果とも言えるのかもしれません。

子供がいろいろすんなり受け入れるっていうのも、ちょっと違和感が残ります。お父さんがお母さん一筋だったのは解ってると思うし、それなのに新しい相手をあっさり容認って、物分り良すぎというか。

とにかく今回は伏線というか、いろいろ張り巡らされたことが最後に一挙にバラされて一挙に解決します。白瀬の家族に一矢報いたのはスカッとしますが、そこにたどり着くまでが長いんですよ。文章そのものは面白いんです。でも、小さなう〜んが積み重なって、なんとも言えない読後感が残りました。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)リラクゼーション系サービスを扱う会社社長・綾川寛二は『子持ちの女装社長』で有名。音叉セラピストの白瀬乙耶に突然キスされた綾川は、妻亡き後、息子の寛のために女装していたが自分はゲイではないと伝える。以降、綾川親子と白瀬は友情関係を築くことになるが、白瀬がふと見せる色っぽい顔、そして純真な顔に綾川は次第に惹かれて…。
(Amazon「内容」より)

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