恋愛志願 (角川ルビー文庫)
陶芸家・片桐恵市(かたぎりけいいち)×コーディネーター・雨宮真末美(あまみやますみ)
シェフ・来栖毅士(くるすたけし)×フードプランナー・雨宮奈津(あまみやなつ)
※中篇リンク作2作です。
《感想》
ノベルズで違うタイトル「恋愛ドルチェミスト」で出ていたものを、文庫化したものです。書き下ろしSSもついてますが、既読の方はわざわざこちらを買わなくても大丈夫じゃないかなぁ。
まずは、弟の話があります。こちらは可愛いというかなんというか。片桐の過去にはいろいろ壮絶なものがありそうですが、今回の話ではちょこっと昔話をして終わっているので、あまり辛さ苦さはありません。
これに対して兄編は相手が嵐の真っ只中にいて、仕事として否応なく巻き込まれてしまいます。来栖の家庭事情が発端なため簡単な解決はなく、レストランのオープンという時間的制約もあり、どうするのかと思ったら、なんとオープン2日前で職場放棄!まぁこれは、来栖だけではなくてオーナーにも責任があるんですけどね。
さぁ、ここからどうすんだと思ったら、奈津はさすが社長さんでした。来栖の理想とする規模の物件を確保して、出資します。こういう力技も、それほど違和感がありませんでした。
まったりとした雰囲気ながらくっつくまでは早かった弟カップルと、山あり谷ありの激しい展開ながら纏まるまでに時間のあった兄カップル。個人的には兄カップルが楽しめました。同じ意見の方が多かったのか、書き下ろしSSは兄カップルです。しめにふさわしく甘い日々で、ごちそうさまでした。


