百と卍 2 (on BLUEコミックス)
元火消し・卍こと万次(まんじ)×元陰間・百樹(ももき)
※既刊感想はこちら→百と卍
《感想》
1巻がとても面白かったので、続きの2巻も購入。紙と電子書籍どちらにするか迷って、思い立ったらすぐに読める電子書籍にしました。ここ最近の暑さに、必要最低限しか外出できない体になってます(笑)
さてさて。2巻の季節は年末から春にかけて。1巻は2人のほのぼのお江戸日常と、百樹の過去のお話でした。ということは、そう、今回は卍の過去になります。
男色が文化として認知されていた江戸時代ですが、若い頃の卍にとっては生きやすくなくて。卍と同じく綺麗らしい父親は男色を嫌悪し、叔父・祝への想いはただ隠すしかなく、抱かれるのではなく抱きたい欲求は関係のあった火消の相棒・千にも理解されませんでした。
そうして隠してきた想いはあるきっかけで千に知られ二人は流血沙汰を起こして決別、火消しからも抜ける結果に。別々に生きる二人ですが、百を想って幸せそうに微笑む卍を見かけた千が絡んできたことで、百を巻き込んだ騒動になります。
今回は、百の懐の深さが際立つ作品でした。イラつく卍にそっと寄り添い、辛い昔話の後には「兄ィのむかしも全部すきになれる。イヤも増えるけどその度に兄ィに惚れてるってわかる」との超男前発言で、卍の静かな涙を誘います。
そして暴言を吐きケンカを売ってきた千の事も「心の悲しみを隠すために人や己を傷つける」、と理解し憐れんでいるんです。絡まれたときもやり返さず、相手を押さえただけだったし。
「抱きたい」「抱かれたい」の相性だけでなく、「一緒に幸せになりたい」気持ちも同じ二人なので、これからもいちゃいちゃしながら過ごしていくんでしょうね。これで完結してもおかしくないような、スッキリしたまとめ方でした。
そう、まだ終わらないんです。いよいよ祝さんと再会するのか、番外編で千の過去とか。いえやっぱり本命は、二人が出会って恋人になるまででしょう。3巻が楽しみだ〜!
◆あらすじ(Amazonより)
元火消しの伊達男攻め、恋と劣情の過去。陰間あがりの百樹(ももき)と、元火消しの卍(まんじ)。義兄弟の契りをかわし、恋人として暮らすふたりの季節は春へと移ろう――。百樹は卍の愛情をいっしんに受け愛おしい日々を送るかたわら、ときおり見せる卍の辛そうな表情に胸がつまるような思いを感じていた。そんなある日、ふたりの前に卍の過去を知るという男・千(せん)が現れる。火消し時代、卍の相棒だったという千は、かつて卍と身体の関係があったことをほのめかし…。江戸時代BLの金字塔作、圧巻の第二巻!
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