BANANA FISH 復刻版BOX vol.1 (vol.1) (特品 (vol.1))
ストリートキッズボス・アッシュ=リンクス×カメラマン助手・奥村英二(おくむらえいじ)
※関連作の感想はこちら→「BANANA FISH REBIRTH オフィシャルガイドブック」
《感想》
※2018.06.29追記
各電子書籍サイトで1〜3巻無料キャンペーンがスタートしました!試し読むなら、今ですよ〜。
※2018.06.29〜07.26まで。
少し前の事です。テレビをぼ〜っと見ていたら、流れたCMを見てびっくりしました。
まさに「なんじゃこりゃぁ〜!」な気分ですよ(笑)。完結からもう20年以上たって、復刻版BOX発売ってどういうこと?って調べたら、2018年7月からフジテレビ系列でアニメ化されるとは。
せっかくなので前に書いたブログ記事に追加しようとチェックしたところ、オフィシャルガイドブックの感想だけで、本編の記事がありませんでした……。そういえば「明確なBLじゃないし今さら本編は書かなくてもいっか〜」ってすっ飛ばした記憶が。
ということで、今回、あらためて本編の感想……というか、私の注目ポイントをまとめてみました。ラストのネタバレ含みますので、以下ご注意ください。
本作を一言でいうなら、壮絶な過去の体験と厳しい現状から孤高の存在となったアッシュと、過去の挫折を抱えつつもしなやかな魂を持つ英二の、心の絆を描いた作品。「BL」というよりは、男性同士の親密でプラトニックな関係「ブロマンス」ですね。
普通なら交わるはずのない二人が出会い強く結び合うというのは、創作のジャンルを問わずよくある設定といえます。そんな多々ある作品の中で本作が名作になったのはなぜか。読んだ人ごとにそれぞれのご意見があるでしょう。私は、主人公たちの弱さと前に進む強さ、この相反する二つにあると思います。
例えばアッシュにとって、英二の存在が彼の弱点になってしまいました。英二を人質に取られて敵の要求に従い、ラストでは英二の手紙がきっかけで隙を作り殺されてしまいます。でも、孤高の存在が涙を流し命をかけて心を許す特別な存在になってみたい、そう思う女子は私だけではないはずです。
強さは本編中にもいろいろありますが、私の一押しは本編でアッシュが死んだあと。本編終了後の短編「光の庭」の英二です。個展でアッシュの写真を飾った彼に、アッシュと共に前に進む、穏やかだけど芯のある決意を感じました。「弱者」と思われた彼の心の強さが、読者の気持ちも救ってくれました。
このブログを読んで「BANANA FISH」を読んでみようかな~と言う人には、復刻版BOXがおススメです。文庫本バージョンより高くなっちゃうのと、紙質があまり良くないようなのが難点ですが、特典は魅力的ですね〜。
- 「BANANA FISH」=黄色い表紙、単行本バージョンで復刻
- ポストカードや奥村英二ファースト写真集復刻版「NEW YORK SENSE」などの特典がいい
- 昔の単行本バージョンでは収録されていない番外編が20巻に収録
◆あらすじ(Amazonより)
1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。ベトナム戦争で出征した際、麻薬にやられて正気を失ったままの兄グリフィンの面倒をみていた彼は、兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じことばを聞き、興味を抱いた。殺された男を追っていたのは暗黒街のボス、ディノ・ゴルツィネ。アッシュは男と最後に接触した者としてディノに疑われる。雑誌の取材でアッシュと出会った、カメラマン助手の英二も巻き込んで事件は思わぬ展開を見せ…。
※画像下の「無料サンプル」で簡単試し読み※
ちなみに黄色い表紙は、こんな感じ。1巻はまだ線が太く少年マンガのような雰囲気ですが、巻が進むにつれてどんどん絵が綺麗になっていきます。電子書籍版もあるので、試し読みはこちらからどうぞ。