火曜日はもう待たない (リリ文庫)
会社経営・長門永人(ながとえいと)×翻訳者・加藤摩利(かとうまり)

《感想》

火崎勇さんは、私の「好きなBL小説家さんベスト5」の定番作家さんです。そして多作作家さんでもあります。腰痛で1年ちょっとBLから離れてた間も、しっかり購入だけはしてました。積読山にいったい何冊あるんだろう……。

山からこの作品を選んだのは、表紙が印象的だったから。背景に高層ビルの夜景が広がるホテル最上階のラウンジで、横に並んでお酒を飲む2人。向かって右側の男性がじっと左の男性を見つめ、左の男性はそれを気にしているといった感じでしょうか。

今回は、右側の見つめてる男性・長門目線で話が進みます。ホテル最上階というより、こじんまりした行きつけのバーで長門は自分好みの青年・加藤と知り合いに。言葉を交わして体も軽く触りあった段階で、長門は加藤と本気で付き合うことを望みますが……。

長門は自分の社会的地位と見た目から、自分に自信を持っています。火崎作品の典型的なデキる男なんです。そんな男が加藤に本気で迫ります。なのに加藤は、今のほどほどの距離を縮めることを許してくれません。会うのも週に1回で、ツンデレでもなくとにかく淡白な印象です。

実は加藤の健康上の問題という理由があるんですが、それが明かされるのは最後。読者はそれまで、長門と一緒に「どうしてなんだろう」と悩まされるわけです。ちなみに私の推理は、加藤は某おじいちゃんヤクザの愛人で、肉体交渉はないけど自由がなく、週に1日だけお目付けがこっそり外出させてくれるというものでした。陳腐でべったべたですね〜(笑)

長門の一人称だから、彼の心の内側は全部書かれてます。それに対して、加藤の気持ちの変化が解りづらかったかな。初対面の男性と軽く関係を持てるタイプじゃないから、激しい葛藤もあったはず。合間あいまに加藤目線があったら、良かったんですけど。

ということで、この話、コミカライズしてくれないかなぁ。もちろん絵はyocoさんで、主人公は加藤にチェンジ。いいと思いませんか。おまけはその後の2人暮らしで、ぜひお願いします!

◆あらすじ(Amazonより)
それは戯れの会話―「もし金をやるといったらいくら欲しい?」「一億円」だが、そう答える加藤の声は真剣で―彼は、なにを考えている?ふたりの出会いは火曜日のバー。加藤はあまり自分のことを語らない青年だったが、長門の誘いを嫌がる様子もなくホテルについてきた。しかし真剣な交際を望むと、その美しい顔で、ただ火曜日に会うことだけを許した。好意は感じるのに、まるで掴めない彼自身とその真意に、心を乱し続ける長門だったが…。

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