猫屋敷先生と縁側の編集者 (キャラ文庫)
作家・本屋敷平(ほんやしきたいら)×編集者・晶川夕麻(あきがわゆうま)
《感想》
やっぱり砂原さんの作品は面白いですね〜。でも当ブログで作品を取り上げるのは、なんと3年ぶり!1年はお休みしてたとして、2年も感想を書いてなかったとは自分でもびっくりです。積読山にたくさん埋もれてそうだわぁ……。
本屋敷はタイトル通り、ネコ屋敷の主でした。でも編集者の晶川は縁側でお茶をすすってるようなタイプではなく、毒舌で行動力があって根っこは真面目、しかも見た目はモデル並みという地味派手なキャラでした。
遅筆で有名な本屋敷の担当になった晶川が原稿をもらおうと意気込んだそうそう、知らずに入ったゲイバーで本屋敷と出会ったことから、誤解も重なって原稿と引き換えに関係を持つことに。でも晶川はゲイじゃないから、いろいろ大変になっていきます。
取引で体の関係から始まるBL作品自体は珍しくありません。でも大抵の場合、攻めさんのスーパーテクニックで受けさんが最初からエロエロになっちゃいます。そして受けさんが、うじうじ悩むんですよね。そういうのもイヤじゃないんですが。そればっかりもちょっと。
でも本作は違いました。本屋敷は超絶技巧の持ち主ではなく、晶川も辛いセックスに1人悩みこむ前にぽろっと本音が大爆発。ここから二人の関係は、ちょっぴり仕切り直し。身体も心もゆっくり近づいていきます。重くなく、すっとばしすぎないテンポがいいですねぇ。
シリーズ2作が収録されていて、前半は恋人になるまで、後半は恋人同士の定番イベント・ライバル(?)の登場です。どちらも晶川目線なので、後半は本屋敷目線で読んでみたかったような気もしたり。
後半に登場した作家の犬明にも、お相手がいそうな雰囲気でした。でも女性っぽい感じなので、リンク作はないかな。
◆あらすじ(Amazonより)
華やかなファッション誌から、地味な文芸誌に突然の異動!?畑違いの職場で一からキャリアをやり直すことになった編集者の晶川。担当に任命されたのは、ベストセラー作家だけれど、超遅筆と評判の本屋敷平だ。足繁く通っても不遜な態度で、縁側で猫と居眠りしてばかり。この男から原稿を取り上げて部員を見返したい──!!ところがある夜、迷い込んだゲイバーで偶然、本屋敷と遭遇し…!?
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