鬼の涙が花だとしたら (フルール文庫 ブルーライン)
鬼・森羅(しんら)×土木作業員・古林千鳥(こばやしちどり)

《感想》

この本の購入を決めたのは、ずばり「タイトル」。鬼と涙の組み合わせは、絵でもみかける定番です。そこにさらに花なんて、ものすご〜く気になるじゃないですか。表紙の絵も雰囲気満点で、かなり期待して読み始めました。

文庫ながら300ページを超えるボリュームで、読むのに時間がかかると覚悟してたんですよ、実は。ところがいざ読み始めてみると、話にメリハリがあって面白い!さくさく進んで、あっという間に読了しました。

あらすじにある父殺しの犯人疑惑は、中盤あたりで解決。千鳥は前から森羅に惹かれていたし、森羅はいうまでもなく千鳥一筋だから、あっというまに想いが成就します。さてこの先、どう話を進めるのかと思ったら。なんと怒涛の展開が待っていました。

まずは、千鳥の人間界への帰還です。森羅はやっぱり千鳥を護ることを優先。自分は咎を受けても、人間界へ逃がそうとしたんですねぇ。そうとは知らない千鳥ですが、帰る場所は森羅のそばと決めていたので、心残りの妹への別れを済ませて戻ってきます。

森羅を助け出してハッピーエンドかとおもいきや、今度は鬼社会で謀反が発生。自分たちの手に負えないモノの結界を解いてしまい、大変なことに。2人が命を犠牲にして封印…というところで、謀反の張本人が自らの命で押さえました。

ということで、けなげに頑張って苦労や困難を乗り越えてハッピーエンド、という超私好みなお話でした。だからさくっと気持ちよく読めたんですね〜。受けもできることを頑張る受けだし、攻めも脇見一切ナシで一途だし。

森羅の鬼仲間や半獣半鬼の子供たちまで、個性的なキャラが集まってるのも魅力で。仲間とのやり取りは井戸端会議だし、子供とのやり取りはほっこりできて、長い話のちょっとした息抜きにもなります。

謀反をおこした鬼・禾烈にいたっては、同時収録のSSではなんと主人公。封印後、かろうじて命はあるものの結晶から出られず動くこともできず、洞窟に置かれた彼の心境の変化がテーマです。

これって「氷の魔物の物語」と似たシチュエーションですね〜。禾烈にとってのイシュカは誰なのか。SSでは半獣ちゃんが濃厚ですが、他の鬼とか獅子人族とかいろいろ妄想が膨らみます。番外続編、書いてくれないかな〜。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)鬼が吼えると災厄が起こる――古来より鬼と、それに魅入られる人間の伝説がある地、希望谷でトンネル崩落事故に巻き込まれた古林千鳥。千鳥を助けたのは鋼のような体躯と赤い髪を持つ隻眼の男・森羅だった。だが彼は、幼い頃に千鳥の父親を殺した鬼・シンの面影を色濃く残している。手厚い看病と労りの中、森羅の不器用な優しさに惹かれる気持ちと、彼の正体への疑念が膨らんでいき……人間と鬼、種族を超えて育む一途な愛。
(Amazon「内容紹介」より)

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