Cafe musica〜心に積もるは君のしらべ〜1
Cafe musica〜心に積もるは君のしらべ〜2
喫茶店店長・久世旭(くぜあさひ)×高校生・桐生伊乃里(きりゅういのり)
《感想》
電子書籍限定のBL作品も、最近増えてきましたね〜。積読山もまだまだ減ってないのに電子書籍まで…。「限定」&「48時間レンタルなら安い」ってのは、最強のBL好きホイホイなんじゃないかと。そして見事にひっかかってます(笑)。
この作品は、全2巻。電子書籍でよくある1話分=1巻ではなくて、126ページ+145ページのがっつり読み応えのある長編です。ちらっとあらすじを見た感じで、包容力のある大人と少年の甘いお話を想像。ちょうど読みたい気分だったので、ぽちっとしてみました。
喫茶店で誰かを待つ伊乃里を、ひと夏のバイトとして雇ったのが店長の久世。訳あり同士の二人は、一気に距離を縮めるでもなく、べたべたに甘やかすでもなく、どちらかというと淡々と話が進みます。このスローテンポが、私は結構好きかな。
ラストともはっきりとしたハッピーエンドではなく、過去を受け止めて前を向いた二人の道は交わるのかな…と思わせて終了。このラストは、曖昧が苦手な人だと好みが分かれそうですね〜。私としては、二人が後日再会するシーンがあるとよかったかも。
曖昧といえば、二人の過去に関わる真実もそう。伊乃里と久世の過去にはそれぞれ、兄とその親友、塾の教え子が絡みます。このうち二人がすでにお亡くなりなんですよ。だから彼らが何を考え行動したのか、はっきりとは明かされません。
現実だと自分以外の人の考えてたことなんてわからないのが当然。でも小説や漫画って何らかの形で明かすことが多いし、個人的にはそのほうがスッキリするんですよね〜。ということで、読み手の想像に任される部分がちょっと多く感じた分、★が一つマイナスになりました。もしかして、続きがある?
今回はさくっと気楽に読みたい気分だったので、妄想力気力とも充実したときに読むと違った感想になるかも。電子書籍なので場所もとらないし、またいつか再読してみたい作品でした。