グッモーニン グッナイ (Canna Comics)
殺し屋・リネア×料理人・アヤ

《感想》

油絵のような雰囲気のある表紙が、いいですね〜。「今日の晩ご飯なに?」「何が食べたい?」「なんでも」「それはだめ〜」って会話、我が家の場合は難易度がもちょっと上。「おいしいもの」って言われてもねぇ…(笑)。

本作で美味しい料理を作るのは、右の彼・アヤ。一年前に急にいなくなった恋人を今でも想う、見た目はちょっとおっさんだけど一途な性格です。ある日、車にはねられそうになったところを、人探しに来た青年に助けられます。

頭を打って記憶を失いまるで子供のような態度をとる青年をリネアと名付け、記憶が戻るまで面倒を見ることに。久しぶりの他人との暮らしにアヤの気持ちはほぐれ、またリネアも一途にアヤを慕います。そして二人は恋人同士に。

このまま穏やかに過ぎれば…物語にはならないんですよね。アヤの身辺や町で物騒な事件が起こるようになり、リネアの振る舞いや言動が年相応に変わり始めたとき、アヤは恋人が写真の裏に残したメッセージに気づきます。

ここから話は急展開。アヤにとって、とても辛い事実が明かされます。アヤが精神的におかしくなっても不思議じゃないくらい、大打撃なんです。でもアヤは、一生リネアを許すことはできないのに、切り捨てることもせずに一緒に生きることを選ぶんです。優しくもあり哀しくもある結末でした。

このラスト、「リネアへの復讐」と考えられなくもないですが、リネアもその壮絶な生い立ちのせいで一般的な倫理観からかけ離れてるので、ダメージはほとんどないし。ただ描き下ろしでは、アヤを愛したことで相手を思いやる気持ちも分かり始めたようです。いつかリネアが罪悪感を感じる時がきたら、アヤには受け止めてほしいなぁ。

ということで、じわじわっと心に沁みるBLでした。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)恋人が突然姿を消して1年。未だ彼のことを忘れられずにいるアヤの元に、人捜しをしているという美しい青年が訪れた。しかし、その場に突っ込んできた車からアヤを庇った青年は記憶障害になり、自分の名前さえも分からなくなってしまう。帰る場所もない青年と記憶が戻るまでのあいだ同居する事になったアヤは、迷惑がるものの久しぶりに感じる他人の温度に知らず知らずのうちに癒されていて――。
(Amazon「内容紹介」より)

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