猫の国へようこそ (幻冬舎ルチル文庫)
妖虎・紀理(きり)×猫?・須賀透耶(すがとうや)
《感想》
テクノサマタさんのケモ耳モフモフ〜!これは見逃せないということで、表紙買いした1冊です。タイトルと表紙のとおり、ネコ(と一部ネコ科含む)がた〜っぷり。テクノサマタさんのイラストがこれまたピッタリで、期待通りな内容でした。
透耶が目を覚ましたら、そこは猫の国。屋敷の前に倒れていたところを、紀理とネコ耳しっぽの子供二人に助けられます。ネコのはずの自分も人型+ネコ耳しっぽ姿になり人の言葉を話せることに驚く透耶に、紀理たちは「ここは猫の国で、透耶はただの猫からあやかし猫になった」と告げてきて。
あやかし猫としての新しい暮らしを満喫するには、透耶は問題を抱えていました。それは、名前以外のことはすっかり忘れてしまっていたことと、完全に変化できないこと。うっすら残る人間の子供との記憶を頼りに人間界へ行こうとしますが、ネコ耳&しっぽを隠せないうちは無理といわれ、紀理や子猫たちと4人で暮らし始めます。
紀理の本性は↑でネタバレ済みですね(笑)。他の猫が怖がったり敬ったりするのは本能的なものだから、仕方がなくて。怖がらせないよういつも一歩引いた接し方をする優しい紀理にとって、一途に懐いて素直なリアクションを返す透耶が本当にまぶしくて、嬉しかったんでしょうね。
そんな紀理や子猫たちと暮らす透耶に、不穏な存在が仕掛けてきます。危機一髪で助けに来たのは、白馬じゃなくて白虎の王子様。透耶は過去の記憶を取戻し、自分の意志で紀理達のそばにいることを選びました。辛い過去と哀しい別れがあったけど、一人だけじゃなくてプラス1匹分、幸せになるはず。
今回は透耶の記憶ネタがメインなので、猫の国の紹介は私の期待よりは少なめ。人間界との通り道になる不思議な甘味屋が登場した程度です。他に魅力的なキャラもいるし、虎の紀理が護る北の猫の国以外にも南・東・西の国があるはずだから、これは続編アリかも?出たらもちろん買いますとも〜。