庭師と箱入り花嫁 (二見書房 シャレード文庫)
庭師・ルカ=ヴィアネロ×華道家・三沢鈴音(みさわすずね)
《感想》
読み切り作品だと思ってました。読み始めてから「伯爵と身代り花嫁」という作品のリンク作なことに気づきましたが、既刊をまったく知らなくても問題なく最後まで読了。既刊カップルもがっつり登場してるので、前作を知ってるとわかる小ネタとかあるかもしれません。
内容は、箱入りお坊ちゃんが好きになった相手・イタリアの庭師の元に押し掛け奮闘するというもの。好きという想いを盾にワガママ放題で相手を振り回すコだったら、私は本を閉じてました(笑)。でも本作の鈴音は、純粋素直。一生懸命に働き頑張る姿は好感が持てましたね。
基本的に鈴音目線で進むので、ルカの本心は最後まで内緒。鈴音がまだお子様だから躊躇してるのかと思ったら、じっくり時間をかけて整えるつもりだったようです。そう、実は早い段階から両想いで、分別ある大人(笑)が意思確認してたってところかな。ルカは他にも秘密があるんですが、ハッピーエンドが大多数のBLらしく落ち着くところに収まりました。
残念だったのは、細かいところで私が引っかかっちゃったこと。それは、イベントで花を生けるシーン。鈴音に振袖女装させてるんですよ。男性の和装じゃどうしてダメだったのかなぁ、男性が花を生ける姿ってかっこいいのに。花を生けることにプライドを持ってる鈴音がきっぱり突っぱねてくれたら、★ひとつ追加だったんですけどねぇ。
女装って確かにBLでは定番で今までにも同じような話をたくさん読んでるはずなんだけど、なぜか今回は古い手法に感じてしまいました。単に私が女装BLを読みすぎて慣れちゃったせいという気も…。BL読み始めたころの新鮮な気持ち、カムバ〜ック(笑)。