もふもふしたくば嫁になれ (角川ルビー文庫)
大神・狼(ろう)×アルバイト・塚守藤(つかもりふじ)
《感想》
モフモフ好きを間違いなく狙ったタイトルをつけた制作サイドの思惑に、まんまと乗せられてみました(笑)。しかもみろくことこさんのイラストなんて、セッティングが整いすぎですよ〜。
期待通りに、夏に読んだら暑苦しかったくらいモフモフ描写は満載です。狼だけじゃなく大量のオコジョも登場して、シーンを妄想するだけでうらやましいこと限りなし。ケモ耳だけじゃなくて本来の姿が多いのも、個人的には大歓迎ですねぇ。
で、モフモフで満足した結果、BLのラブやそのほかの部分をするっと読み流してしまいました…(笑)。前菜が好みすぎて、メインディッシュの印象がうすくなっちゃった感じです。話自体がしっかりまとまってて読みやすいからこそなんですけどね。
なぜ藤がモフモフフェチかつ動物に好かれるのか、村の人がとても親切なのか、両親が村を敬遠する理由などなど、いろんな伏線は基本的にすっきり回収。隣の神さまが藤にちょっかいを出してきた理由も、「共有」が神さまにとっては大原則だから。博愛な神さまならではの理由に、納得です。
唯一残ったのが、藤の寿命で消滅するつもりでいるロウの跡継ぎ問題でしょうか。これは、続編ありかも。それとも今回当て馬ならぬ当て神で頑張った致し神・オコジョが主人公の、リンク作になるのかな。出たら…たぶん買ってることでしょう。