愛犬調教 (プラチナ文庫)
犬神・江雪(こうせつ)×犬神使い・神支那篝(かみしなかがり)
※リンク作あり。既刊感想はこちら→「愛犬志願」
《感想》
ぶっ飛び具合が最高にツボで、2013年BL小説myベスト5に入った「愛犬志願」。そのリンク作です。江雪は前作のラストで不本意な契約から解除され、前作主人公カップルの良き相談相手的なポジションに落ち着きました。そして今回、新たな主人を得ることに。
前のような無理やりの契約ではなく、自分から契約したいと思える相手と出会いました。それが、敵ともいえる神支那の犬神使い・篝です。前作主人公・旭の弟で前当主でもあった律に次ぐ力を持ち、愛用の鞭で相手を倒すというまさに女王様なキャラ。江雪を従えようと挑んてきたところを、一目惚れして逆ナンパ。
好きな相手に好かれようとあれこれするんですが、そこは禍神。監禁して無理やりヤッて、心を読んで、篝の家族同然の犬神達を迷宮に閉じ込めて、それで「どうして私を受け入れて下さらないんですか」ですからね〜。前作主人公カップルに相談するぐらい、本気で理解してないんです。
前作で江雪がフツウに見えたのは、比較対象が衝撃度maxな禍神・安綱だったから(笑)。単体になると、変具合がでてくるようで。主人からもらう1000年ぶりの食べ物に涙したり、切ないところもあるんですよ。それで篝は少しずつほだされてしまった訳です。
主人の寵愛を得られなくて悩める江雪に有益なアドバイスをくれたのが、なんと安綱でした。旭と一緒に過ごすうちに、まっすぐ成長した部分もあったようです。でも真面目なだけじゃ、安綱じゃない(笑)!そんな人もご安心を。ちゃんと彼らしいシーンも用意されています。念願の小型愛玩犬の夢、叶うといいねぇ。
評価が普通になったのは、前作ぐらいのぶっ飛び具合を期待しちゃったせい。この作品がシリーズ初読みだったら、もう一つ星がついたんですけどね〜。やっぱり前作(というか安綱)が基準になっちゃうんですよ。攻めが普通に近づいた分、受けキャラのひねりは本作のほうがあるかな。女王様っぷりにあと一歩磨きがかかってたらなぁと思う私は、いったいどんな電波作品を期待してたんだろう…(笑)。