NEVER KNOT (IDコミックス gateauコミックス)
イタリアンマフィア幹部・カールハインツ=ウルリッヒ×暴力団組長・白姫耀(しらきあきら)
《感想》
前に読んだ「雨のむこう、きみと」がイイ感じだったので、本作も購入。カラーページや中を読んで、「アニメのような」という感想は今回も感じました。あ、でもそれがイヤってことじゃないですからね。今回のような、動きのある話にも合ってました。
日本進出をもくろむイタリアンマフィアに属するカールと、進出を警戒する日本の暴力団組長の耀。空港ですれ違っただけの二人ですが、耀がカールの最初のもくろみをつぶすことで深くかかわることになります。
カールとしては、やられっぱなしなんて許せるはずもなく。二人の立場の違い(移民の子と直系)に対するコンプレックスもあり、無理やり組み敷くことで耀を貶めようと目論みます。が、ここで大きな誤算が。そう、BL定番のお約束、ミイラ取りがミイラってやつですね〜。揺るがない耀に、本気で耀に惹かれちゃうんです。
一方の耀もメンツが命より大事なヤクザとは思えないほど、懐が広かったようで。必死で手を伸ばしてくるカールを本気で振り払えず、受け入れてます。まぁペットの豆寅(※本物のトラ)を溺愛している耀だから、初対面で「リードをつけていない猛獣」と評したカールのことも、気に入ったんでしょうね。そうじゃなかったら本気で半殺しぐらいはしてるんじゃないかな。
惹かれ合ってもべったり甘い関係ではないし、愛のささやきもありません。お互いに自分の属する組織が一番大切なのは揺るがないので、道は交わっても共に歩くことはないんですよね。それを解ったうえでお互いを求める、というお話です。描き方によっては、ドロドロ系や演歌調になりそうですが、本作は全体的に抑え目でさらっとしています。そんな中に情熱が見え隠れしてるのがいいスパイスで。読みやすいのに印象にも残る作品でした。
今回は主人公二人の心理描写がメインで、組織の抗争はほとんどありません。暴力シーンもゼロ。お互いの組織の思惑や仲間など、思わせぶりなシーンがちらほらあったので、連載は終了してるようですが評判次第で続編があるのかな?あるなら、買いますよ〜もちろん!
一迅社 2014-06-16