愛の狩人 (ショコラ文庫)
ホストで吸血鬼・ユアン×探偵事務所勤務・筒井弘斗(つついひろと)

《感想》

とっても切ないか、コミカルで楽しいか。名倉さんの作品に対する私の印象はこの二つです。少し前に読んだ狐BLは、切ない系でした。本作はタイトルからして後者の匂いがぶんぶん漂ってきますね〜。主人公二人の、漫才のようなテンポのいい会話が楽しい作品でした。

女性の生気を吸って生きる吸血鬼・ユアンは、日本でのホストの職を天職として謳歌していました。ところがある日偶然見かけた弘斗は、男は相手にしないユアンでさえも惹きつけしまう極上のエナジーの持ち主で。しかも素直で天然無垢な性格に、ユアンは目が離せなくなっていきます。

主人公二人の目線が交互に代わる展開です。オレ様な人気者が天然ドジっ子に惹かれるというBLに限らず昔からの定番設定で、目新しさがないぶん調理が難しいところですが、今回はユアンが不本意な本心を隠すことなく語って楽しい作品に仕上がっています。本心と書きましたが、自分への苦しい言い訳、といったほうが正しいのかな。

一押しはやっぱり、犬の散歩をしてる弘斗に会いに行くシーンでしょうか。太陽がダメなユアンの完全防備姿は、即通報レベルの不審者っぷりで。そこまでして会いに行った第一声が、「奇遇だな」なんですよ(笑)。そんなわけあるかっと突っ込み返したくなるセリフですが、そこは相手が弘斗だから、するっと受け入れられちゃうんですよね。

弘斗のキャラは、個人的にはちょっと苦手なタイプ。実力以上の危険な状態に足を突っ込んで、さらに自分ではフォローするつもりが事態を悪化させるという、頑張りたい気持ちが空回り君なんです。自分のミスはちゃんと理解して謝る素直さがあったからセーフでしたが、これでワガママだったら、きっと最後まで読めなかっただろうな。

ラスト、めでたく身も心も結ばれて話は終わっています。でも私としては、二人の仲に反対してる探偵の叔父とか、二人の寿命差とか、まだまだ気になることがあるんですよね〜。同人誌の番外編はあるようですが、できれば商業で続編をお願いしたいわぁ。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)吸血鬼のユアンは人並みはずれた美貌を生かし、ホストとして女のエナジーを吸って生きている。そんなユアンが出会った史上最高に美味そうなエナジーの持ち主は、街で家出娘を捜していた子犬のように純朴な少年・筒井弘斗だった。男は絶対相手にしない、という信条のもと極上エナジーを諦めるユアン。なのに弘斗はその後もユアンの周囲をうろちょろしてはいい匂いをまき散らし、これ見よがしにもめごとに巻き込まれまくっていて―。
(Amazon「内容紹介」より)

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