海のおっさん (マッグガーデンコミックス uvuコミックス)
海の家アルバイト・行人(いきひと)×プロサーファー・水原碧海(みなはらあおい) 表題カップル
高校生・水原海音(みなはらかいと)×高校生・霧島(きりしま)
《感想》
夏だ!海だ!といいますが、ここ数年我が家は海とは無縁です。ずいぶん前に沖縄にはまってから、海=沖縄になっちゃったんですよね〜。でも毎年行くにはお金も時間もなくて。混雑に耐える体力もなくなってきて。せめてBL読書で夏気分を味わおうと本作をチョイスしました。
この作品はもともと、無料Webコミックスサイト「マッグガーデンオンラインコミックス」で連載されてました。だから電子化されるのも早かったですね〜。一部読んでるから定価で買うのはちょっと…だったんだけど、電子貸本Renta!の48時間レンタルなら安いし、ちゃんと作者さんにも利益が入るから、嬉しい限りですよ。読みたい!と思ったタイミングですぐに読めるし。Kindleだったら、なおお得なようです。
ということで、本作は電子書籍で読んでみました。まずは表題作。海が大好きで念願の海の家で住み込みアルバイトを始めた行人(通称・おっさん)と、サーフィン中にサメに襲われ海がトラウマになったプロサーファー少年という組み合わせです。1話目はおっさん目線、2話目では碧海目線へと交代するので、お互いに影響しあって強くなっていく様子がよくわかる読者に優しい設定となっています。
トラウマ克服という硬めのテーマですが、登場人物たちの会話のテンポが良く重くなくてイイ感じ。むしろコミカルです。ただおっさんがとった荒療治については、個人的にはものすご〜く疑問が残りますね。そもそも行人は30代とは思えない言動で、よく言えば「少年のよう」、悪く言えば「無責任」。でも世界へはばたく碧海を実家の海で待つことをさくっと選んだり、ポイントはしっかり押さえてるところが大人の男性なのかも。
コミックスの約半分を占める同時収録の弟編は、数年にわたる話です。周囲の偏見と無自覚な差別、という扱いようによっては兄編よりもさらに重いテーマですが、こちらも海音のキャラが力強くぐいぐい話を進めてくれました。海音君、大事なことが解ってる本当にいいヤツだわ。おかげで気持ちよ〜く読了です。
エロシーンはありません。キス程度。がっつりが読みたい人向きじゃありません。その分内容がしっかりしてるので、BLとしての物足りなさは感じませんでした。人前で読んでも大丈夫…かな?
マッグガーデン 2014-05-15