恋と主と猫と俺 (二見書房 シャレード文庫)
旧家当主・本條巴(ほんじょうともえ)×大学生・広江群真(ひろえぐんま)
《感想》
火崎作品にもついにケモ耳が登場しました。今まで読んだ作品で犬が本当に人間になったり、犬が人間に憑りついたりってのはあったけど、しっぽや耳はついてなかったんですよ。モフモフ大好きな私としては、嬉しい限りです。
主人公は、群真。普通の人間です。そんな彼がネコ耳&しっぽの持ち主になってしまったのは、本條の護りネコから巴の花嫁として認めらてしまったから。宿敵のサルと戦うためにネコは助けを必要としていて、その時までサルから群真を守るために憑りつきました。ただ群真の巴を想う気持ちがまだ足りなくて、耳としっぽだけ出てしまう中途半端な状況になってる、というわけで。
家の事情や財産にも興味がなく、群真は純粋に巴に興味を持ちました。だから猫に認められたんですが、巴とは出会ったばかりだから気持ちが足りないのも当たり前なんですよ。だから二人が気持ちを近づけていく過程が、話のメイン。サルとネコの対決はずいぶん引っ張った割にはあっさりと終わり、ちょっぴり物足りなく感じました。
猫耳になる流れや行為の必要性などなどは、理由がスッキリ通って読みやすかったですね〜。残念だったのは、イトコなど思わせぶりで個性がはっきりしたキャラ達の出番が、後半ほとんどなかったこと。サル側に加担するとか、何か役割があると思ってたのになぁ。
あと、巴目線の話があればもっと楽しめたかと。打算のない群真を気に入ったのはわかるけど、恋愛の相手として想うにはちょっと弱い気がするんですよ。群真目線のSS+ネコのその後が入ってたら大満足できただろうな〜、ってのはワガママですね(笑)。