傷だらけの恋情 (クロスノベルス)
ライター・笹子(ささご)×居酒屋アルバイト・河北亮司(かわきたりょうじ)

《感想》

最近読んだ火崎作品の中ではダントツに相性がいい作品でした。中身はもちろん、イラストも素敵だわぁ。

表紙の亮司の口元や体に残る痣は、兄によってつけられたもので。この兄っていうのが、本当に最低な分かりやすい悪役でなんす。両親の遺産を独り占めして食いつぶした後は亮司にたかり、拒否すると暴力で無理やり奪うことを繰り返すチンピラそのもの。

兄弟だからと耐えてきた亮司も、限界ギリギリの状態に追い詰められていました。そんなときに知り合ったのが、アパートの隣の部屋に住む笹子です。亮司の事情に深入りはしないけど、さりげなく気配りしたり食事を一緒にしたり、亮司の心のよりどころになっていきます。笹子も亮司を気に入ってるのは、いうまでもありません。

けれどそれに反比例するように兄の仕打ちはひどさを増し、ついには自分の不始末代わりに亮司を売るまでに。もちろんギリギリで笹子の助けが入って亮司は無事でした。こうなるまで笹子が亮司に具体的な解決方法を教えられなかったのは、自分も元々同じ側にいたからかな。

亮司は兄を見限りますが、そうなって当然のことを兄がしたんだから仕方ないかと。自業自得な結末は、亮司目線で話を読んできた読者にはスッキリなオチでした。これだけ分かりやすい悪役とその最後ってのも、久しぶりかも。

最近の火崎作品は、受けが攻めの言動を誤解してすれ違ってちょっと揉めてネタ晴らし、なパターンがすごく多かったんです。正直「またか…」な気分になってたんですが、今回はまったく違いました。メリハリがあってそれぞれの立場がはっきりしていて、ドキドキしながら読んでました。

あまりシリーズ物を書かれない火崎さんですが、この話はぜひ続きを書いてほしいですねぇ。修羅場をくぐって強くなった亮司なんて、かっこよさそうじゃないですか。でもって、悪役にはやっぱり分かりやすい下種野郎がいいかな(笑)。何が来ても揺るがず圧倒的に強い二人、読んでみたいです!

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)河北にとって日常は、古いアパートに住み、少ない給料を兄に搾取されること。不幸が普通だと慣れきっていた、ある日。隣人・笹子と出会う。兄に殴られて負った怪我の手当てをしてくれた笹子は、「何かあったら呼べ」と優しい言葉までくれた。その日を境に河北は、度々彼の部屋を訪れるようになる。ただ料理を作り、ただ二人で出かける…今までとは正反対の生活に、これが幸せなのだと泣きそうになる河北。だが、そこに再び「兄」という悪夢が現れて―。
(Amazon「内容」より)

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