ターゲット (二見書房 シャレード文庫)
国会議員子息・嘉納孝義(かのうたかよし)×何でも屋・河西廉慈(かわにしれんじ)

《感想》

日頃テーマを決めてBL本を読んでるわけじゃありません。でもなぜか、続くときは続くもんですねぇ。金曜に引き続き、SPや警護といった護る系作品になりました。おかげでニュースでもメインの重要人物より、周囲のジャケットの前が開いてる方々=SPに目がいっちゃって(笑)。頑張れ〜。

本作の主人公は、何でも屋の河西。とある事件がきっかけでSPを辞め、今はマイペースで何でも屋の仕事をこなしています。気負いがなくてさらっとした主人公の性格は、話のテンポそのまま。重くならずにさくさくと話が進んでいきます。

廉慈がSPを辞めた大きな理由は、権力者たちを護るために無条件で自分の命をかけられないと思ったから。廉慈の言葉を借りると「どうしてこんな奴らを命がけで守らなきゃならないんだ」「自業自得だろう」ってことですね。

私個人としては大いに共感できる理由ですが、警察官、特にSPとしては失格なのは間違いなくて。だから廉慈としては納得済みどころか、自分から辞めた仕事だったんです。ところが嘉納は、きっかけとなった事件を引き起こした大臣=廉慈の父が責任を取らせて無理やり辞めさせたと思っていたんです。

しかも嘉納は、SP時代の廉慈に対して恋心を抱いていたんですねぇ。たまたま廉慈と再会したことで嘉納の想いは再燃し、アプローチをかけてきます。単に育ちのいい坊ちゃんに見えて意外としつこいというか粘り腰に、廉慈もいつの間にか近くにいることを受け入れるように。だから寝技に持ち込まれた時も、本気で拒絶できませんでした。

というか、相手が自分に想いを寄せてるのが解ってて突き放さないんだから、最初っから廉慈は相当気に入ってたとしか思えないんですよね。なんだかんだ言って嘉納の本心が叶う方向に事態を持って行ってるし。ツンツンはしてないしヤンチャでもないから、マイペースデレとでも言えばいいかな。

今後の二人の未来は定番からいえば、山あり谷ありどころかエベレストありマリアナ海溝ありぐらい前途多難ですが、この二人はにっこり笑いながら乗り越えていってくれそう。もし続編があっても、今回みたいな軽めを希望しま〜す。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)元SPにして現在はのんびり何でも屋を営む廉慈のもとに、かつて護衛していた議員の息子・嘉納が訪ねてくる。SP時代の廉慈に憧れる嘉納から、再会を機にストーカーじみた執着をぶつけられ困惑する廉慈だが…。「もう一度、キスをさせてください」―年下男の甘えが混じった懇願にほだされ、つい体の関係まで持ってしまう。その上、嘉納が何者かに命を狙われ、何でも屋として彼の護衛につくことに…。
(Amazon「内容」より)

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