アキハバラフォーリンラブ (花音コミックス)
会社員・長谷川悠貴(はせがわゆうき)×ニート・秋庭歩(あきばあゆむ) 表題カップルほか
※表題シリーズ+短編1作です。
《感想》
前作の「花とうさぎ」は攻めさんが究極の人見知りで、コトに至るときでもウサギ頭をかぶってる、インパクト大な作品でした。そして今回は30にしてニートなオタク受け、というこれまた個性的なキャラが登場。リアルにこんな成人男性がいたらかなり危険だと思うんですが、可愛い絵だと許せるんですよねぇ。やっぱり2次元は凄いです(笑)。
悠貴は眼鏡をかけていたせいで「オタク」とからかわれ、不本意な小中学生時代を過ごしました。今はコンタクトですっかり過去とはお別れしたはずだったのに、就職後の勤務先がオタクの聖地・秋葉原。トラウマになりつつあるオタクとは関わらないよう過ごすつもりが、カツアゲされていた歩をうっかり助けたことで、想定外の恋の矢が胸にトスッと刺さります。
明るく楽しい内容に出てくる登場人物は、腐男子の弟とか、女装メイド喫茶で働く友人とか、濃い人々が勢ぞろい。そのせいか、30歳ニートのオタクはごく普通に見えてくるから不思議ですねぇ。しかも歩は、ここ一発では行動する勇気を持ってました。
もっとも長谷川が高熱でダウンしたため、お初体験は持ち越し。ちゃんとその後にリベンジの機会がありましたが、弟の漫画から得た知識を活用したり、歩のお宝フィギュアに見つめられたりと、最後まできっちり小ネタが仕込まれてて。おかげで楽しく読了できました。
同時収録の短編は、幼馴染の再会モノBLです。学生さんが主人公のこちらは、しっとり系ですねぇ。最近感情移入しやすくなっちゃって読後引っ張ることが増えた私としては、しっとりオンリーよりも笑いの中にしんみりがアクセント、っていうほうが好きかな。年取ると、気分の切り替えにも体力がいるんですよ〜(笑)。
おまけの描き下ろしでは、悠貴がオタクラノベに挑戦したり、歩が豪快に買い物(夢オチ)しています。私にもクジ運分けてほしいなぁ。そうすれば消費税アップなんてものともせずにBL本を買いまくるのに…。
芳文社 2014-02-28