ヤクザな俺に猫耳が生えた結果 (ショコラ文庫)
ヤクザ若頭・浅黄丈一郎(あさぎじょういちろう)×獣医・羽村達樹(はむらたつき)
《感想》
昨日に引き続き、ネコBLです。BLでケモ耳、特に猫耳を付けるのは受けさんであることが多いんですが、本作は珍しく攻めさんが担当。三白眼に猫耳の表紙は、なかなか見られないんじゃないでしょうか。設定通りに気楽にするんと読めました。
喧嘩に巻き込まれ刺されそうになった浅黄をなぜか子ネコが助け、怪我をしたと思われるネコを浅黄が動物病院に連れてきたのが、二人が知り合うきっかけでした。実は怪我していたのは浅黄のほうで、ネコは耳をかすった程度で済み、そして一週間後。突然浅黄の頭に猫耳が生えてきたんです。
なぜ浅黄に猫耳が生えたか、この謎は作中でいっさい明かされないままなんです。子猫が怪我したのが耳だから何か関係ありそうですが。とにかく原因は不明で、血管も神経も通っているため不用意に切ることもできず、浅黄は猫がらみで知り合った達樹の家に無理やり転がり込みます。
この猫耳にはもう一つ、フェロモンを放つという強力なおまけがありました。その効果は雌猫はもちろん、一部の人間にも有効。達樹はそんな猫耳に魅入られた一人で、猫耳に夢中になって発情しておいしく浅黄に頂かれてしまう羽目に。
ヤクザは嫌いな達樹ですが、浅黄はそれなりに筋を通し、自分を守ってくれたり食事を作ってくれたりと思いがけない一面を知るうちに、猫耳とは関係なく惹かれていきます。浅黄も人間には不愛想なのに動物は溺愛する達樹が気になり始めますが、猫耳は消える気配もなく、いったいこの後どんなオチになるのかと思ったら…。
なんと、とある事件でキレた浅黄が自分でぶった切るという暴挙に出たんです。当然大流血の大惨事ですが、なんとか一命は取り留めました。これで晴れて両想いのいちゃいちゃモードで終わるのね…と読者に思わせておいて、最後の一行で大どんでん返しが!猫耳恐るべし…。
これは続編があるってことですよね。まさかこのまま続きはナシ、なんて読者の9割は納得できませんよ〜。猫耳の原因とその後、ぜひぜひ明らかに下さい。