孤高の白豹と、愛執を封じた男 天国へはまだ遠い (アズ文庫・ホワイト)
吸血人豹一族・セルリア=ブラン×薬剤調合師・芦屋千早(あしやちはや)
《感想》
レーベルの設定「微BL」どおり、というよりも「BLじゃない」といって問題ない内容でした。BL初心者さんはもちろん、非BL愛読者でも大丈夫じゃないかな。
ジャンルとしては、近未来ファンタジーでしょうか。白虎は時々見かけますが、白ヒョウはBL設定では珍しいですね。攻めイメージだと黒ヒョウが多いし。しかも吸血というオマケもついてます。
セルリアはたまたま千早を吸血相手に選んでしまったがために、千早以外からは血が飲めなくなってしまいました。それほど千早の血が特別なんですが、美味しいとか力があるとかそんな理由ではまったくなくて。むしろ逆の毒だったんです。
自分の作る薬の効果を確かめようと呑み続けたため、千早の血は他人にとっては猛毒で。なんとかセルリアは生き延びましたが、千早以外の血ではアレルギーを起こす残念な体質になっちゃったんですね〜(笑)。
だから一緒にいること事態、セルリアにとっては不本意なこと。そんなセルリアも千早にとっては「可愛い」って感じなんです。なぜなら千早は、不老不死の呪いを受けて1,000年以上生きてきたから。動じず淡々とした年寄りっぽい言動も、寿命を考えると納得です。
同族からの根拠のない拒否や、千早の秘密を勘違いした人物の襲撃など、辛い出来事や事件を乗り越え、2人はお互いを道連れとして認めます。特にセルリアは不老不死になっても千早を責めなかったのは、とっくに千早を認めていたからなんでしょうね。
続きがあるとは書いてませんが、シリーズの初回といった感じ。登場人物紹介と関係の説明がメインになってます。おかげでさらっと読みやすかったけど、ちょっぴり物足りない感じも。続編があるなら、もっと2人が感情むき出しにした話も読んでみたいですね〜。
エロは皆無なので、がっつりBLを読みたい、という方には物足りないかと。でもさらに上級者になってくると、妄想の幅が広がりやすくていい作品…なのかも?
イースト・プレス 2014-01-30