木の下闇の恋 (Holly NOVELS)
会社員・花厳啓介(かざりけいすけ)×公務員・永穂知美(ながほともよし)

《感想》

ほの暗さの漂うタイトルとレーベルから、June風耽美系な内容を想像してました。だから買うのを躊躇してたんです、実は。でもAmazonであらすじとレビューを読んで、大丈夫そうと判断してぽちっ。スルーしなくて良かった〜。

ジャンルとしては、再会モノBL。高校時代、周囲も認める親友だったふたりですがある時から啓介が知美を避け始め、卒業後10年経ってから同窓会で再会して再び時が重なり始めます。

両方の目線が交互にくるので、主人公どちらの気持ちもよくわかります。啓介が知美を避けた理由は、肉体衝動を伴う恋愛相手として知美を意識したため。そして知美も避けられたことで自分の想いを認識し、以前のように向き合えなくなってしまったんです。

ようするに、両想いゆえのすれ違いなんです。10年もの遠回りって、すごいですよねぇ。それだけ経っても忘れられないくらい相手が好きってことでもあるんですから。もしお互いに恋人がいたら別の修羅場になるんでしょうが、今回はどちらもフリーで、当て馬君は2人に覚悟を決めさせるだけの役回りで終わりました。

高校時代は子供だからこそ衝動に戸惑って逃げ出し、大人になってから過去が邪魔して素直になれないっていうもどかしい感じがいいですね〜。ラストでは大人の本気も見せてくれたし。予想とは正反対のスッキリしたラストでした。

啓介と知美って言葉が足りないところや2人の落ち着いた雰囲気なんかは、同じ作者さんの「情熱シリーズ」の主人公カップルにちょっと似てるかな。本作は同い年なので、もっと対等で可愛い感じになってます。

今回当て馬で終わった彼はとてもイイ奴で、知美も「その気になればすぐにパートナーを見つけられる」なんて言ってますから、これは続編ありかも。彼には草食系よりも、もっと年配の自分が力を抜ける相手なんでどうでしょう。

ところで。細かいことですが、1箇所だけ気になった部分がありました。冒頭、知美の現状について説明している部分で、「会社の同期に同じ大学出身者が何人か…」とあります。役所は会社じゃないよ、ってだけなんですけど。いや、細かいことが気になるお年頃ってことで許してください(笑)。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)高校を卒業して十年。初めて開かれた同窓会で、知美は疎遠になっていた、同じ弓道部で親友の花厳啓介と再会した。知美は啓介に惹かれ、恋しいと想うやましさをずっと抱えていたが、大人になった今は、せめて昔のように友だちに戻れたらいいと願う。しかし知美に向けられた啓介の態度は相変わらず淡々とした、そっけないものだった。もう、友だちにも戻れないのか…冷たい反応に落ちこんでいた知美は、アウトドア専門店で知り合った、優しい年下の男、颯々野に惹かれていく。意地っ張りで不器用な二人のラブストーリー。
(Amazon「内容」より)

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村
応援ポチよろしくお願いします