ディア・マイ・コンシェルジュ (ショコラ文庫)
ホテル営業・和喜田義彦(わきたよしひこ)×コンシェルジュ・倉原亨(くらはらとおる)

《感想》

高級ホテルって、憧れますねぇ。あくまでも憧れで、誰かの結婚式でもない限り利用する機会がほぼ皆無なのが、ちょっぴり哀しかったりしますが。今一番行きたいのは、南国高級リゾート。癒されたい…。

本作を読んでまず思ったのは、こんなこと(笑)。舞台は都心のホテルで、BL+ホテル、とくればほぼ間違いなく登場するご職業・コンシェルジュの倉原目線で話が進みます。

ホテルに入社して5年、コンシェルジュになってからまだ2年と若手で、仕事にプライドを持って毎日頑張っています。まだ気持ちに余裕がなくてその頑張りが表情や態度の固さとなることもありますが、「お客様の為に」の気持ちは誰にも負けません。

そんな倉原が気になる相手が、同年齢で仕事もできて余裕のある和喜田。和喜田が倉原の頑張りをからかってけん制するのには彼の亡き父が関係していて、和喜田なりに倉原を心配していたんです。

ある日ふとしたことから仕事外の時間を一緒に過ごし、お互いに普段とは違う顔を見たことからより強く相手を意識し始めます。仕事でも協力することが重なり、和喜田は一気に想いを伝えて関係を進めようとしますが、ここで倉原は彼らしい対応をしました。

一昔前のBLだったら、強引でも体が先で後から気持ちがついてくる、なんて都合のいいよくある展開になったはず。でも倉原は勢いに任せるなんてできず、「気持ちを蔑ろにする相手を好きになることはない」って言い切ったんです。本当にそうですよね〜。これって恋愛、というか人間関係の基本ですよ。

そして和喜田は、まさに全力で(笑)彼の気持ちに応えました。だからこそ、ラストの山場で、どさくさまぎれながら倉原から「俺に触れていいのは和喜田だけ」なんて最高のお返事がもらえたわけで。「待て」ができるって、本当に大事だわ。

薄目の文庫なら2冊分のボリュームだったので、読むのにもっと時間がかかるかと思ってました。重くなくテンポやメリハリもあって、あっというまに読了でびっくり。元ネタは4年ほど前の雑誌掲載作だそうで、名前と職業以外はほぼ別物レベルな改稿の結果、ボリュームが倍増したそうです。

びっくりといえば、去年の12月に紙で出て、もう電子書籍化されているのにもビックリ。電子貸本Renta!ではチケット制だから、紙よりちょい高くなってますね〜。でもサンプル読むだけなら無料かつ登録不要なので、購入前の試し読みにご活用ください。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)サクラノホテルのコンシェルジュである倉原亨は、天才肌で飄々とした営業の和喜田義彦が嫌いだ。対人スキルの低い倉原の、精一杯の笑顔を作り笑いだと馬鹿にされてからずっと避けてきた。しかし、なりゆきからバーで一緒に飲んだ時に酔った倉原は素直な一面を晒してしまう。以来、なぜか和喜田は倉原を「可愛い」とからかうようになり、ついには「男に抱かれたことはあるか?」とおかしなことを聞いてきて―。
(Amazon「内容紹介」より)

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