居候には逆らえない (キャラ文庫)
溶接アーティスト・鬼塚半蔵(おにづか)×フリーター・葉山悟(はやまさとる)

《感想》

昨日の風と雪は本当に凄かったですね〜。屋根の雪も吹き飛ばされて、まさに吹雪。そんな中、走り回って喜ぶ子供の体力は最強無敵で、ちょっと羨ましい今日この頃です。

体力のない私は、大人し〜く家の中でBL読書に勤しんでいました。積読山の読破を中心に、新刊も合わせて4冊程度。これだけ読んだのは久しぶりですね〜。「読んだぜ!」みたいな変な充実感に包まれました(笑)。

本作はそんな中の1冊。表紙は中原さんの書かれるオヤジの絵にしたらまさにこんな感じ、眉間のシワと頬のこけ方に年齢がちゃんと出てる、私のイメージする正しいオヤジなんです。

これは内容も期待できそう、と読み始めました。主人公は、オヤジ・鬼塚じゃなくて悟のほう。元々大人しいかった上に幼い頃から不運が続き、筋金入の後ろ向きな性格に育ちました。おどおどした言動はさらにトラブルを招くという、悪循環にどっぷりはまっています。

悟の後ろ向き加減は妄想にも反映されてて、ギャグとしか思えない突拍子もない展開のラストは殺される、という超ネガティブなキャラ。初対面で見るからに不審者な鬼塚を自宅に入れたのも、その妄想が原因でした。

居候を決め込んだ鬼塚を悟は警戒しますが、実は2人は初対面じゃなかったんです。鬼塚にとっては自分の生き方を決めるきっかけが悟で、悟にとっては恩人で。再会は偶然だったから、まさに運命だったでしょう。

鬼塚は洒落たセリフじゃないけど、悟が好きという気持ちはがんがんアピールしてくるので、ネガティブ悟にはピッタリな相手といえます。おかげでちょっぴり強くなれた悟は、長年にわたる不運の本当の原因だった兄ときちんと向き合うこともできました。

悟の兄っていうのが、頭が良くて後ろ向き、というかなり厄介な性格で。20年以上も悟を家から離そうと画策していたのに、鬼塚の一言で素直になるのがちょっと安易な感じもしました。でも彼も心の奥底では悟を大切に思ってて、自分の恐れを乗り越えてやり直すきっかけが欲しかった、ってことかな。

コミカルだけど程よく締まった感じもあり、楽しく一気に読了できました。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)臆病者で自ら災難を呼ぶ不幸体質―そんな葉山がゴミ捨て場で拾った、蠅に塗れた行き倒れの男。鋭い眼光で凄まれ一夜だけと風呂を貸すが、その男・鬼塚は男臭い色香を放つ無精髭の偉丈夫に大変身!!「借りは身体で返してやる」と無理やり抱かれ、家に居座られてしまった!?早く出て行ってほしいのに、面と向かっては言えない葉山。気まぐれに抱かれるうちに、鬼塚のことが気になり始め―。
(Amazon「内容」より)

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