背中で恋を語るな (ショコラ文庫)
レストランシェフ・九曜数馬(くようかずま)×ギャルソン・小谷悠紀(こたにゆうき)

《感想》

この間「 シンデレラの誘惑」の感想を上げた時、本作も一緒に積読山から引っ張り出しました。その時は甘系が読みたい気分だったから「シンデレラ…」を優先したけど、表紙が良い感じに好みで、こっちも気になってて。

ちょっと厚みがあったので、時間に余裕がある時を狙って読書スタート。いざ読み始めると、250ページ以上で文字は小さめだけど改行や会話が多いため余白も多く、思った以上に早く読了しました。

途中でひっかかることなくテンポ良く読めたことも、早く読めた理由の一つかな。やっぱり火崎作品とは相性がいいわぁ、と再確認。できることは自力で頑張る受けさんが大好きなんです。でもって、意地を張っていい限界も解ってるのもポイント。単なる頑固じゃ、周囲に迷惑かけるだけですもんね。

今回の一人称主人公・悠紀は、とある理由で前のレストランを辞め、先輩の紹介で無国籍レストラン「メムワール」に転職しました。心機一転、と思ったとたんにアパートが火事になり、同僚の九曜の家に居候することになります。

悠紀が九曜を含む同僚のことをやたらと気にするなぁ、と思ったらちゃんと理由がありました。ネタバレは中盤で、それまでBLらしいラブ展開はありません。むしろちょっかい出されて激怒して吐いたほど。それぐらい辛くて追い詰められる体験をしてたってことで。

だからその後の展開は、いくら心から信頼できた九曜が相手だからって、肉体面を含めて受けいれるのは一気に進みすぎじゃないですか〜(笑)。確かに九曜はすごく頼れるし、悠紀大好きだし、良い相手ではあるんですけどね。吐くほどのトラウマがそんなに簡単に乗り越えられるのかな。

九曜は料理人なのにタバコを吸うし、「バカ」と舌打ちが口癖という、個人的にはちょっと…なキャラ。頼れる良いヤツなんですけどねぇ、特にタバコは個人的にはNG。タバコの香りって強いから、手に付いた匂いが刺身のようなナマ物には移るんですよね。吸わない人間は敏感だから気付きますよ、多分。

まるでダメ出ししてるみたいになっちゃいましたが、楽しく読めたのも本当なんですよ〜(笑)。辛い思いをした子はちゃんと幸せを掴み、そんな思いをさせた張本人はきっちり制裁を受ける、私の好きな後味爽やかで気持ちのいい終わり方でした。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)学生時代の先輩に紹介されたレストランで働き始めた小谷悠紀。オーナーやギャルソン仲間はみな親切でとても居心地がいいが、ただ一人、シェフの九曜数馬は常に不機嫌な態度で小谷に対する苛つきを隠そうともしない。だが、優しく親切な人々が簡単に豹変するのを目の当たりにした小谷には、最初から自分に好意的でない人間の方が気が楽だった。相手が距離を置くなら自分からも近づかない、近づかなければ傷つくこともない…そう思っていたのだが、アパートの火災によって住むところを失い、なぜか九曜の部屋に間借りすることになり…。
(Amazon「内容紹介」より)

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