チョコレートのように (幻冬舎ルチル文庫)
謎の男実は…・梶本(かじもと)×会社員・静京一(しずかきょういち)

《感想》

「新年のご挨拶」で目標にした「古いBL作品月1冊以上」、いよいよスタートです。

今日取り上げたのは、初版が2001年で再販文庫が2007年に発売されたBL小説です。この本を選んだのは、ずばりタイトル。バレンタインまで1ヶ月を切り、チョコ売り場が一気に華やかになったのを見て連想しました。

今は2014年だから、12年以上も前の作品ですね〜。その頃の私はというと…公私にわたり色々変化がありました。今から思えばかなり大きな転換期で、BLからはちょっと遠ざかっていた時期でもあります。

なのでこの作品を初めて読んだのは、2007年に再販されてから。それでも6年以上前ですから、時が経つのは早いもんです。このブログを始めたのは2008年10月だから、読んでお宝本になったけど感想をあげるこはなく今日に至ったわけで。

感想をあげるために、まずは再読。既読作品を覚えていないことは多々ありますが、この作品はポイントをかなり覚えていました。しかも再読してもやっぱり面白くて、それだけ好きな作品ってことでしょうねぇ。

冒頭、橋の上からぼ〜っと下を眺める京一に、突然見知らぬ男・梶本が話しかけるシーンから始まります。普通なら警戒する状況ですが、親友に裏切られて企画を盗まれ深く傷つき自暴自棄だった京一は、鬱憤を晴らすかのように全てを梶本にぶちまけます。

そんな京一に梶本は親友への復讐を持ちかけ、かなり強引に見た目から夜のアレコレまで、レッスンと称して仕掛けてきます。最初は抵抗していた京一ですが、梶本の色んな顔を知るごとに深く惹かれはじめ…という話。

この話は、「醜いアヒル子」や「マイ・フェア・レディ」のような定番変身物語のBL版。素材はいいのに本人は無自覚で、それをオレ様系攻めに見初められて磨かれて花開く、というお約束をきっちり抑えています。

これだけなら「ふ〜ん、まぁ面白かった」で終わるはず。でも本作は、簡単には梶本に従わない(※ただしエロは除く・笑)京一の頑固さと、魅力的なオヤジキャラ・梶本が見せる意外性と本音が、話を盛り上げます。

特に中盤の山場・愛犬が死んで様子を見に来た京一を、片足スリッパのまま外まで追いかけるシーン。梶本が一方的に京一を可愛がってるんじゃなくて、ちゃんと支えになってる事がよ〜く伝わってきて、大好きなシーンなんです。

懐は深いけど狙った相手を逃がさない執念を持ち、しかもエロのねちっこさと言葉攻めというオヤジ系キャラの標準装備も、もちろん装着(笑)。心理面、エロ面、どちらも充実してるから、読んでて楽しいんだろうな。

本作では詳細が明らかにされなかった親友の失脚については、動き出した企画にケチはつけたくない梶本が親友を調査してリークした、というのが真相だと勝手に推測しています。秘書がマンションに来たのはその報告だったと思えば、つながりますよね。

最初に企画を奪われたときの京一の対応や、企画段階で上司にまったく報告していないなど、気になる点も幾つか。でもそんな重箱の隅なんか飛び越えてしまえる面白さが溢れてます。作品の古さもまったく感じないので、未読の方はぜひ挑戦してみてください。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)「死ぬくらいなら、そのカラダ、俺によこせ」。―信頼していた同僚に裏切られた京一に、橋の上で声をかけてきたのは、印象的な声をした謎の男・梶本だった。同僚への復讐に手を貸すというその男は、京一を強引な手腕で変身させ、これまで知らなかった強烈な『快楽』で蕩かしていくが…。その後のラブラブな2人を描いた書き下ろしも収録。
(Amazon「内容」より)

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