魔法使いのレストラン (バーズコミックス リンクスコレクション)
パティシエ・花森神(はなもりじん)×レストランオーナー・七月紫乃(ななつきしの) 表題カップルほか

《感想》

ほんわかきゃぴきゃぴ〜なBL漫画を想像してました。いえ、基本的にはきゃぴきゃぴしてるんですが、辛そうな顔してるシーンの多い人が若干2名ほど。こちらの印象が強くて、作品の印象も引っ張られちゃったかな。

冒頭の短編は、表題作の舞台となるレストラン隣にあるケーキ屋さんのパティシエが主人公。自分目当てで来る常連客に、「オレに気がある」って浮かれて調子に乗ってたら、昔好きだった人に似てることが判明。更に墓穴を掘って、自分も相手を好きになってたことに気付きます。で、更に「実は」があって、めでたくハッピーエンド。

表題作も基本的には賑やかなんですが、紫乃の父の事故死の件が、紫乃、そしてレストラン従業員の心に大きな傷とトラウマを残していました。そんなときにやって来たのが、父の弟子を名乗るパティシエの花森。

お互いを思いやり気遣いすぎて過去を乗り越えられなくなっていた紫乃たちなので、外からの大きな変化が必要でした。本当は自分達でも心のどこかで気付いていて、だからこそ紫乃は初対面の花森を自宅に泊め、シェフの高美澤は必要以上に反発したんでしょう。

花森も、最初は飄々としながら皆を助け出す余裕のある、まさにドラマや小説の中だけの攻めかと思ってました。でも後半、背の高い調理台の真実を知って見せた涙で、印象が一変。急に親しみのあるキャラに思えてきて。彼も色々不安や迷いがあったんですねぇ。

この話で私が一番気になったのは、紫乃よりも高美澤のほう。ホール担当の日比谷が元恋人と判明したときは、本当にびっくりです。この2人が付き合い始めた話とかないのかな…なんて思いつつ、読後のカバー下をチェックしていたら、更に驚きの事実が。冒頭リンク作の彼と表題作のカレにそんなつながりがあったとは。いやぁ、やられた。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)亡くなった両親の跡を継ぎ、レストランのオーナーを務める七月の前に、突然パティシエだった父の弟子の花森が現われてお店は大騒動!
(Amazon「内容紹介」より)

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