仕立て屋の恋 (ディアプラス文庫)
海運会社御曹司・三木恭介(みききょうすけ)×テーラーメイド店経営・河原清見(かわはらきよみ)

《感想》

前半で「あら、優しい可愛い作品なのね」と油断させて、ラスト1/4でいつもの水原節という変化球でした。そうきましたか〜。ディアプラスだから、すっかり油断してましたよ…。

フランスで苦労しつつも型紙を起こすカッターとして実力を磨いた清見は、東京で自分の店を開きました。ある日顧客の一人で入院中の三木の息子・恭介が店を訪れます。

まだ若く跡継ぎの自覚に乏しく不安が大きい恭介に、清見は最初は微笑ましいものを感じていました。けれど次第にもっと深く惹かれはじめます。恭介も、初対面から清見に心を奪われて。2人は一緒に出かけたり時を重ねて、気持ちと体も近づいていきます。

そしてある日ついに一線を越えますが、清見はこれをただ一度だけと決め、その後は一線を引いた対応を心がけます。相手の立場とかなんとか、色々考えちゃったんですよ。自分が差別で苦労したから、よけいに慎重だったのかも。

これだけだったらしっとり落ち着いたBLだったんですけどねぇ。そうは問屋がおろしませんでした(笑)。距離を取る清見ですが、恭介の会社に対するM&Aと内紛が起こり、大変な状態に。辛い心境の清見に、やはり顧客で香港財閥代表の李が、会社を助ける代わりに「24時間ペットになれ」と取引を持ちかけて…。

穏やかなBLなら「あわや」で王子様の助けが入りますが、水原作品でそんなものは期待できないのは、皆様ご存知の通り。でもレーベルのせいか、具体的な描写はかなり控え目。事実がコンパクトにまとめて書かれた程度です。

王子様役の恭介は、事前で止めることは出来ませんでしたが、事後に見せた態度は会社の跡継ぎとしても、そして恋人としても十分立派なものでした。困難が人間を成長させるっていいますが、まさにそんな感じ。でも個人的には、成長は控え目でもいいので困難は少ない人生がいいなぁ。

痛い系水原作品が大好き!という方には、ちょっぴり物足りないかもしれませんね。でも逆に、水原さんは痛いからダメ!という方には、チャレンジするには手頃かも。今の私には、ちょうど良い具合の一冊でした。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)世界中に顧客を持つ美貌のテーラー・清見の新しい客は海運会社の御曹司・恭介。初めてスーツを作る恭介の物慣れない姿に、兄のような気持ちを抱く清見だったが、やがて彼の一途な情熱に惹かれ、想いは恋へと変わる。けれど一介の仕立て屋でしかない清見と大企業の跡継ぎである恭介では身分が違いすぎた。過ちだと知りつつ、求められるまま一夜を過ごしてしまった清見は、潔く身を引く決意をするのだけれど…!?
(Amazon「内容」より)

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