ファラウェイ (リンクスロマンス)
悪魔・アモン×清掃員バイト・羽根珠樹(はねたまき)

《感想》

いま続いてるシリーズ物も非ヤクザですが、完結一気したいから積読山で眠ってます。だから英田作品でヤクザ物以外を読むのは、久しぶり〜。かなり期待しつつ、読書開始。

既に両親とは死別し、育ててくれた祖母も亡くし天涯孤独になった珠樹。祖母と一緒に働いていた清掃の仕事を続けながら、頑張って生きています。一方、入院したアメリカ大使の息子・ユージンは典型的なワガママ傲慢男。事故で死亡が確認された直後に蘇生し、珠樹に付きまとい始めます。

人が変わったかのようなユージンは臨死体験で悔い改めた訳ではなく、本当に中身が悪魔・アモンに代わっていました。アモンは前世の珠樹(4代前でエジプトファラオ)に契約の証として与えた魂の欠片を取り戻すために、ずっとその魂を追い続けていたんです。

そう、この話は転生モノ&人外の合わせ技。オマケでもふもふも付いてます(笑)。拉致軟禁もあり、なかなかのBL定番オンパレードです。これで強姦があればフルコンボなんですが、立場的には契約を守れなかったアモンのほうが弱く、許されないと欠片が取り戻せないため未遂に。

「許す=愛される」と考えての行為だったんですが、無理やりヤッてすぐに恋に目覚めるのは随分前のBLワールドだけ。今は、一緒に過ごす時間が大事なんです。珠樹もやはりアモンと一緒に過ごし過去の夢を共有するうちに、次第に惹かれていきます。

でも今度は、転生モノお決まりの「オレ自身を愛して欲しい」問題が勃発。帰りたいと泣く珠樹をアモンは解放します。自分が消滅するのに、欠片を取り戻さないまま珠樹の願いを優先するアモンも、珠樹を愛してたんです。そんな二人のすれ違いは、欠片を狙う悪魔の出現で終了。めでたく想いを交し合いました。

といった感じで、かなりのBL定番ネタが詰め込まれてます。サクサク進むので読みやすいけど、ありきたりと感じてしまった部分も。転生モノで人外が契約者を守れなかったというのは先日感想をあげた「淫猥なランプ」と同じですね〜。あちらの人外がインパクトが強かったから、アモンはごく普通に見えちゃいました。

リンク作として、アモンの悪魔仲間のアシュトレト×ユージンを好きな秘書・ショーンを予想。すると後書きに、「雑誌に短編を書いた」とありました。アシュトレトのお相手は、ケーキ職人だそうで。ショーンに新しい恋はまだ訪れていないようです。頑張れ〜。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)祖母が亡くなり、天涯孤独となってしまった羽根珠樹。病院の清掃員として真面目に働いていた珠樹は、あるとき見舞いに来ていたユージンという外国人に出会う。彼はアメリカのセレブ一族の一員で傲慢な男だったが、後日、車に轢かれて瀕死の状態で運び込まれ、息を引き取った。―はずだったのだが…なぜかユージンはすぐに蘇生し、怪我もすっかり消えていた。そして、今までとはまったく別人のようになってしまったユージンは、突然「俺を許すと言ってくれ」と意味不明な言葉で珠樹にせまってきて…。
(Amazon「内容」より)

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