お手をどうぞ (ガッシュ文庫)
ホテルチェーン経営・桐原征司(きりはらせいじ)×モデル・藤井暁斗(ふじいあきと)

《感想》

こういう、マイ・フェア・レディ物って少し前のBLでは良く見かけたけど、ブームが落ち着いたのか最近は無いなぁって思ったら。本作は既刊の文庫化でした。なるほど、納得です。

素材はいいけどまだ原石の宝石が、権力者の目に留まって磨かれて本物になって恋も実るという、まさに定番中の定番。似たような設定のBL物を片手では足りないぐらいに読んでますが、飽きないんですよこれが。いくつになっても夢見る腐女なんだなぁ、と自分の中の乙女を再認識いたしました(笑)。

だから前半ラストで暁斗が自分を貶めるライバル&元恋人をめでたく見返せたシーンは、スカッとしました。まだ桐原の力による部分は大きいけど、ちゃんと自覚して努力した結果でもあるから、胸張っていいんじゃないでしょうか。

権力者=桐原の正体は、明かさないにも程があるっていうぐらい隠して焦らされます。暁斗なんて、自分が桐原の経営するホテルのイメージモデルに選ばれてることも、お披露目のコールで知ったぐらい。これが現実だったら、まさにドッキリですよ。

後半と書き下ろしは、前半の最後に書かれた、ホテルイメージのポスターの裏話になります。桐原の誕生パーティなんかもあって、周囲に上手く騙されて自分を桐原にプレゼントする羽目になった暁斗がおいしく頂かれるまでが後半。その翌日は実はポスター撮影日で、朝になって慌てる2人が書き下ろしです。なぜ体のほとんどがシーツに隠れていたか、暁斗が幸せな笑顔で眠っているか、そんな裏事情があったんですねぇ。

元は新書サイズだったので、ちょっとブ厚めで字は小さめですが、一気に読めました。しかもこの話って、シリーズなんです。1冊は同じ主人公で、もう一冊は脇のデザイナーの話だそうで。続きが読みたい本がどんどん溜まっていく…嬉しいけどちょっと困った事態は、ますます進行中です。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)「私がおまえにチャンスをやろう」恋人のカメラマンに捨てられ仕事も干されたモデルの暁斗は、桐原という男に拾われる。豪奢なホテルの一室に暮らす資産家らしい彼は、正体を明かさないまま、元恋人を見返したいと願う暁斗に協力を申し出た。彼のもとで一流のモデルになる特訓を始めた暁斗は、共に過ごすうち、厳しくも優しい桐原に惹かれていくが…?BL版マイ・フェア・レディ、書き下ろしも収録。
(Amazon「内容」より)

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