俺サマ吸血鬼と同居中 (キャラ文庫)
吸血鬼・アルノルト=フォン=ブロンベルク×大学生・草間啓太(くさまけいた)

《感想》

またまた吸血鬼もの(笑)。最近立て続けにでて、好きな者としては嬉しい限りです。まだ読んでない作品もあるし、吸血鬼ブームでも来るのかな。

アルノルトは最初のうちは「俺サマ」というタイトルにふさわしい言動をしていました。でもそれは、他人との暮らしから遠ざかっていたため。久しぶりの感覚に浮かれて、啓太にも生活があると思い至らなかったんです。それに元は貴族だから、人に世話してもらうのが当然だったせいもあります。

だから、啓太が過労で体調を崩した時は、すぐに自分の非に気付き丁寧に謝罪。これ以降、一人で生きる寂しさを知る二人の気持ちは近づいていきます。でもこのまま和やかに終わったら、小説にならなくて。昔アルノルトが吸血鬼にした元人間の同族・高田が、啓太に絡んできます。

この横槍のおかげで、今度こそ盛り上がってお互いに想いを告白してベッドイン。普通ならこれでラストとなるところですが、まだページはかなり残っています。どうなるのかと思ったら、なんとアルノルトがその力で啓太の記憶を封印するじゃありませんか。啓太には、自分と同じ存在になって後悔してほしくなかったんです。

なんとも健気ですねぇ。でも啓太の心の底にはしっかりアルノルトが残っていて。ぼんやりと夢で記憶を辿り涙する啓太、そして未練の残るアルノルトの背中を押したのは、なんと高田でした。もしリンク作があるなら高田にも良い相手を、な〜んて思えるぐらいに株は一気に急上昇(笑)。

今度こそ一緒にいると命をかけた誓いを交した2人。ラストでは、啓太はまだ吸血鬼になっていません。まだ啓太は若いし就職も控えてるから、アルノルトとしてはできるだけ長く人間でいさせるんでしょうね。もしかして次回作はリンク作じゃなくて、続編?

 あらすじ(マウスを乗せると表示)

中世の貴族を思わせる、豪奢な装い―大学生の啓太は、ある日不思議な洋館に迷い込む。けれど中から聞こえたのは、奇妙な呻き声だった!?その主は、陽の光を浴び苦しむ美貌の男!!思わず助ける啓太だが、男・アルノルトはなぜか不機嫌。問えば彼は吸血鬼で、齢400年の長い生に飽き、自殺を試みていたらしい!?そのうえアルノルトは「邪魔をした償いに、下僕になれ」と命じてきて!?
(Amazon「内容」より)

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