隣りにいる人 (ショコラ文庫)
家具メーカー副工場長・小田島達朗(おだじまたつろう)×工場勤務・佐倉治樹(さくらはるき)
※シリーズ作です。既刊感想はこちら→「遠くにいる人

《感想》

前作は、あちこちのレビューで高評価でした。もちろん私もお宝本箱に残してます。単に後ろ向きウジウジ君の話ではなく、酷い仕打ちを受けたときに当たり前に感じるりや苦しみ哀しみが、とても共感できる作品で。話を読み終えた後は満足感もありましたが、幸せになった姿を見てみたいとも感じていました。今回続編が出たということは、同じ事を感じた方が多かったのかもしれません。

前作では酷いヤツ認定されていた小田島は、本気の相手にはとことん甘やかす本領を余すことなく発揮して治樹を可愛がっています。こうも変わるのかっていうくらい優しくて治樹を大切にして、ちょっとビックリ。

治樹のほうも、まだ小田島にワガママを言ったり甘えるレベルには程遠いけど、少しずつ成長しています。このままゆっくりペースで変化していく…では小説になりません。そう、覚悟を促す大きな出来事が2つも起こります。

一つは仕事で、扱いづらい後輩の指導担当になったこと。悩みながらも本気で後輩と向かい合い、大きく前進します。小田島や親友の三津が根回しして、じゃないのが嬉しかったですね〜。上からじゃなく、目線をあわせて心配してくれる治樹だからこそ、後輩も素直になれたんでしょう。

そしてもう一つは、小田島の見合い騒動です。本人の気持ちを無視して振り回された小田島も気の毒でしたが、治樹が疑心暗鬼になってネガティブ発言しても仕方がないですよ。だって、前作のような酷い前例があるんですから。

ただちょっと度を越してた感もあって。後輩君の言葉じゃないけど、「自分勝手で自己憐憫」にどっぷり浸ってます。指摘されて気付けた事自体、治樹の心が成長した証です。小田島が愛を伝えてきた効果、ありましたね。

ということですったもんだも落ち着いた後は、治樹の初めてのワガママ(というか当然の主張)で終わります。今度こそこの2人なら大丈夫、と思えるラストでした。前作に比べてキャラが丸くなり事件もこじんまりしたので、盛り上がりのアップダウンには欠ける感があります。でも成長して今後更に幸せになるだろう治樹の物語が読めたから、私は大満足。

そしてなんと今回、三津の短編も収録されています。彼のことを見ている後輩が登場し、よしこれからアプローチ、っていうところで終了。きっといろいろあるんだろうけど、本編で満足&終わった感を味わってしまったので、続きはなくてもいいかな(笑)。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)数多の恋愛を経て、小田島達朗が佐倉治樹と付き合いはじめて一年。小田島の仕切る家具工場で働く、地味で控えめな恋人を小田島は愛していた。そんなある日、本社の叔父に騙され取引先の娘と無理やり見合いをさせられてしまう。勘違いし傷ついた治樹の誤解をどうにか解いたものの、治樹は妙に小田島に遠慮するようになってしまい…。「遠くにいる人」シリーズ第二弾。治樹の幼馴染・三津のサイドストーリーも収録。
(Amazon「内容」より)

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