サクラ咲ク (リンクスロマンス)
不動産会社社長兼マジシャン・櫻木拓海(さくらぎたくみ)×フリーデザイナー・早乙女怜士(さおとめれいじ)
※リンク作あり。既刊感想はこちら→「忘れないでいてくれ

《感想》

先日の春の嵐で関東の桜はすっかり散ったと思ってたのに、昨日近くの公園で見たら結構残っていてびっくり。あの雨風に耐えるなんて、桜って意外とたくましいんだな〜と認識をちょこっと改めた今日この頃です。

そんな桜の季節にぴったりなBL小説を本日はチョイスしました。夜行花さんの作品は読みかけのシリーズがいくつかあるけど、それらを脇に置いてでも「この本は桜の季節に読まなきゃ!」という思い入れが強かったんです。なぜなら、この本は故・朝南かつみさんがイラストを描くはずだったから。

残念ながら永久に不可能になってしまい、本作はBL作品としては珍しいイラストが無い形で出版されました。表紙やタイトルは作品だけでなく、朝南さんへの追悼も含まれてるように私には感じられて。こんな優しい桜色に包まれて安らかに眠っていて欲しい、心からそう願います。

さて。まずはリンク作を読んで復習と思ったのに、なぜか本が見つからない…。手元に残してたはずなんだけどなぁ。がっつり前作主人公達も出てくるので、内容だけじゃなくて朝南さんのイラストを含めて脳内環境を整えたかったのに、あえなく断念しました。

主人公は名前のとおり、夢見るオトメというよりは妄想レベルが高い怜士です。しかも切れやすく手が出る、というかなり危険生物。過去に数ヶ月失踪しその間の記憶を失くしていて、その体験が相当悲惨だったことは行間から漂ってきます。でも切れやすく瞬間的に後先考えられない性格は事件前からで、その所為で事件に巻き込まれたともいえます。いえ、怜士に罪はまったく無いんですけどね。

そんな怜士のお相手は、前作でも名前だけ登場していた花吹雪先輩こと櫻木。彼がまた天然天才肌で、一般人とはかなり感性が違います。精神的な許容範囲も広く友人には超オススメですが、恋人には激しく不向きなタイプ。本人には悪意が無いので、周り(今回は怜士)が振り回されてます。でも最後はちゃんと納まって、ハッピーエンド。

2段組イラスト無しで、読み応えは十分。山場になる事件は幾つかありますが、基本は怜士が花吹雪先輩をゲットするまでのウジウジっぷりを堪能する作品といえます。あと、前作主人公達にも再会できたし。彼らの甘いシーンがなかったのは、残念だったかな。

ということで、いろんな意味で印象に残る作品でした。これから桜が咲くたびに思い出しそうです。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)写真を撮られたり、人に触られることが苦手な怜士はある日、中学時代に憧れていた先輩・櫻木と再会するが…。
(Amazon「内容紹介」より)

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