チビ魔王 人間界に行く (プリズム文庫)
魔族・ジン×魔王・マオ
《感想》
最近ではすっかり定着した感のある子持ちBLに、ファンタジー要素を掛け合わせた話だと思ってました。ところがなんと。このチビッちゃい3頭身が、王冠を被ってる少年の本体なんです。3匹描かれてるけど、三つ子じゃありません。分身の術も使ってません。可愛いから大盤振る舞い、ってことかな。
3頭身だけど、これでも生まれながらの魔王様です。魔王だから、マオ。なんとも解りやすいネーミングですね〜。そのぷにぷに3頭身と素直な性格を魔族に遊ばれているようで、実は虜にしています。いわゆる癒しキャラなんです。
マオがそんな風に育ったのは、魔界一の実力を持つお目付け役のジンのせい。ジンは赤ん坊の頃に既にマオに目をつけて、天然純粋に培養してきました。そう、魔王らしからぬマオはジンの光源氏計画の結果なんです。
話のメインはタイトルにもあるように「マオの人間界修行」。のはずなんですが、この舞台設定はあまり活かされてません。知り合って仲良くなるのは天使だし、寮生活なので社会との繋がりも薄いし。
話の盛り上がりになる事件も小粒です。なので、ストーリーそのものを楽しみたい場合は、ちょっと不満が残ります。ポイントは、マオの可愛らしさにハマるかどうか。私はすっぽり、ツボに入っちゃいました(笑)。
オマケのSSも2作収録されていて、こちらは3頭身マオの魅力が大爆発してます。どんな攻撃も跳ね返してしまう無敵の体、いくらでも食べ物がはいるブラックホールな胃袋、と3頭身にはまだまだ秘密が一杯のようです。そんな3頭身マオのイラストが表紙とオマケSSにしか出てなかったのは、か〜な〜り残念だわ。
オークラ出版 2012-12-22