特別診療 (ガッシュ文庫)
ヤクザ幹部・岩切猛路(いわきりたけしろ)×闇医者・久保真敏(くぼまさとし)

《感想》

昨日に引き続き、今日も罪の意識に悩む受けさんが登場。意図してないのに、続くときってありますよね。ブルーな気分はうつるので、できれば3連続にはなりませんように。

恋人の死の原因は久保にあり、罪を償う為に闇医者になった。そんな展開かと思ったら。 恋人は自らギャンブルにはまって借金を作り、ヤクザに殺されてました。それを自分のせいと考える久保の後ろ向き加減は、筋金入りです。こんなウジウジキャラはいつもなら苦手だけど、攻めキャラ・岩切の男前っぷりがすべて補ってくれました。

強引なことを言ったりしたりしてるようで、ちゃんと久保が受け止められる範囲を探って逃げ道を用意してあげる気配りの人。もちろん、自分の方に振り向かせる自信があってのことです。こんな相手だから、久保も過去を受け入れて新しい恋を始められたんでしょうね。

ヤクザと闇医者という組み合わせにしては、派手な事件はありません。いえ、久保が患者を逃がしたことから拉致されて危機一髪な目にあいますが、この程度のことはBLワールドでは前菜程度。後半は事件そのものが起きません。うん、平和ですね(笑)。

本編は久保目線で進みますが、ラストの短編は岩切目線です。狙った獲物は長期戦でも決して逃がさない、「鳴くまで待とう」の家康と「鳴かせてみよう」の秀吉を足して2で割ったタイプと判明。敵対する相手には「殺してしまえ」でもあるから、有名な戦国武将3人の特徴をすべて持ってる、というのが正解かも。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)「あんたは俺のものだ。なあ、先生?」ヤクザの幹部である岩切の愛人であり、新宿の片隅で小さな病院を営む真敏。かつては大学病院の医局で将来を嘱望されていたが、恋人だった男の死を機に闇医者になった。医者でありながら恋人を救えなかったことへの後悔と悲しみは深く、資金援助を受ける代わりに岩切に身を売ったのだ。だが、セックスは贖罪行為のはずなのに、真敏の体は岩切の愛撫に淫らに喘ぎ快感に溺れ―。危うい愛人契約。
(Amazon「内容」より)

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