神和ぎの我が手取らすも (プラチナ文庫)
週刊誌記者・太田(おおた)×新興宗教団体所属・大三輪馨(おおみわかおる)

《感想》

BL小説で何人か作者買いをする作家さんがいます。水原さんもそんな一人。ただちょっと重めというか受けさんが辛いことが多いので、最近はちょっと手が出にくくなってます。今回、この本とキャラ文庫シリーズ物2冊を積読山から掘り出し、どちらを先に読むか悩むこと少々。ちら読みした結果、受けキャラの性格はシリーズ物のほうが好みだけど、2冊読むには時間がちょっぴり足りないので、本作を選びました。

唯一の肉親である母の影響を受け教団の中で育った馨が、その身に纏わり付いた呪縛や欲望を振り払い、自ら外の世界へと踏み出す成長物語です。ただしなんと言っても水原さんなので、そうなるまでに散々酷い目に遭わされています。

そんな馨のお相手・太田は職業も本名も実は…な、ある意味これまた特殊な世界の人で。でもそんな修羅場を経験し哀しみを積み上げてきた太田だからこそ、馨の特殊さも受け入れられるんでしょうね。教団残党も、太田がそばにいたんじゃ、簡単に手出しできないだろうし。とてもお似合いな2人なのかもしれません。

馨が教団で思考停止状態で過ごしてきたのは、もちろん密かに使われていた薬のせいもありますが、母親の教えとそれに相反する外への憧れを封じ込め心を守るため、無意識の選択のように感じました。やっぱり子供にとって親の影響力は絶対ですから。

その母親も馨のことを守ろうとしていたことがラストで判明し、ほっと一安心。母親も神様じゃないから、いろいろ悩んだり迷ったりして時には子供を巻き込んでしまうこともあったとしても、最後の最後は子供の本当の味方であってほしいんですよ。いつもだったら相手役のSSが読みたくなるけど、今回は母親の最後の決断のSSが読みたいかも。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)宗教団体に勤める馨は、「神和ぎ」として教祖を癒す役割を担っていた。務めを果たせなければ、教祖の側近・葛城に折檻される。身寄りのない馨を引き取ってくれた教祖への恩返し、そう思ってきたが、務めの度に心が打ちのめされるようだった。そんな時、取材に訪れた大田と出会う。なぜか馨に興味を示す彼に戸惑うが、あたたかな感情で包み込むようなその腕に、涙がこぼれて…。
(Amazon「内容紹介」より)

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