夕陽に及ぶ (ドラコミックス 327)
高校教師・芳塚(よしづか)×高校生・小野崎怜二(おのざきれいじ)
※リンク作あり。Amazonより→「恋愛軌道 」内収録・「レッドライン」

《感想》

日野作品は何冊か読んでますが、リンク作はまったく記憶になくて。いつもの度忘れパターンだろうと思いつつ読書記録調べたら、未読でした。本当に読んでなかったのね…。でも本作を読むのに支障はありませんでした。

タイトルを「ゆうひ」と読んでましたが、正しくは「せきよう」でした。そういえば「ゆうひ」は漢字で書くと「夕日」とも書くけど、意味が違うのか気になって調べてみました。基本的に一緒で、「夕陽」には夕方や夕暮れといった時間も含む、もう少し広い概念もあるようです。日本語って奥が深いですねぇ。

さて本編の感想。教師×生徒、といういわゆる禁断の関係です。この場合、BL的展開としては生徒が押すパターンが多いんですが、今回は教師の芳塚が最初に恋に落ちます。生徒指導室でいきなり生徒にキスするくらい、突然で強い感情に芳塚は逆らうことができなかったんです。

それぐらい激しい気持ちだからそのまま強引に押し倒して…にならないのは、珍しくて。というか、常識ある大人なら押し倒さないほうが普通なんですよね(笑)。据え膳で一線を越えることは、教師として断固拒否します。しかも2回も。こんな鉄壁の理性の持ち主を落とすほど、怜二は魅力があったということかな。

その怜二も最初は自分の中の兄への想いで一杯で、怜二にとって芳塚は恋人ではなく避難場所のような存在でした。けれど一緒にいる時間が増えるにつれ芳塚の気持ちを思いやるようになり、どんどん芳塚に傾いていきます。そして自分の気持ちを認めてからの言動は「若者」らしく、芳塚以上の激情に溢れていました。

とはいえ禁断の関係には変わりなく、両想いで終わらないのはBLワールドに限った話じゃありません。二人は離れることになり芳塚はフェードアウトも受け入れる覚悟でしたが、今まで兄で鍛えられた怜二の一途さは筋金入りでした。そんな二人のその後の日常とお初エロは、エピローグ的な最終話とオマケの描き下ろしとカバー下で堪能できます。本編の重さを吹き飛ばす可愛らしさと幸せが満載で、あぁよかった。

リンク作で主人公だった怜二の兄も登場してます。芳塚とのことが学校にバレて大騒ぎになったときも、怜二が東京に進学すると決めたときも、彼は味方だったはず。しかし兄弟揃って人目につく所でキスするのは、癖なんでしょうか。控えたほうがいいよ〜(笑)。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)実兄に異常なまでに執着する怜二。そんな怜二の前に高校教師・芳塚が現れる。全てを知った上で優しく接してくれる芳塚に次第に心を開いていく怜二だったが、ある夕暮れの放課後、彼から突然キスをされて…?
(Amazon「内容紹介」より)

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