ソネット (ショコラ文庫)
芸大生・広尾柾史(ひろおまさふみ)×芸大生・仁科幸(にしなこう)

《感想》

若いわぁ…。本作を読んでまず思ったのが←。一つのことにまっしぐら、自分のことで精一杯で周りを見る余裕なんてないひたむきさが、今となっては懐かしいですねぇ…。

なんだか妙にオバサンっぽいスタートになってしまいました(苦笑)。中篇2作で、前半は仁科目線で後半は広尾目線に代わるという、両方の本音が気になる読み手に優しい仕様です。

前半は、2人の出会いから激しい恋愛と別離そして再会と、ジェットコースターのように話が展開します。仁科は器用なタイプではなく、広尾との恋愛にのめり込みます。自分にとって唯一無二の詩を作ることさえ例外じゃなくて。冷静に考えればあきらかに変なのに、自分では自覚できません。

そんな恋の相手である広尾は仁科の変化を誰よりもそばで見ていたし、仁科の詩を高く評価しているから、そのもどかしさや焦りは半端じゃなかったはず。そこで自分の本心を上手く伝えられれば良かったんですが、まだ若い学生の広尾には当然ながら無理で。切り捨てるように別れるしかなかったんでしょうね。

仁科が詩を取り戻し広尾と再会して再び想いを交わしてからも、やっぱり彼らはすれ違羽様子が、後半の広尾目線で語られます。でも前半と違うのは、相手を切り離したりすがるだけでなく、自分でも努力してみよう、相手の声を聞こう、という歩み寄りができたこと。2人とも成長したんだね〜と思える後半でした。

浮世離れした攻めが多いBLのなかで、かなり地に足が付いたというか現実的な攻めと内容といえます。キャラが年齢に見合った言動で、すんなり話に入り込めました。その分、気持ちが解りすぎて辛いシーンもあって、読むペースがとても遅かったのも事実。良い話と好きな話って微妙に違うんだなぁと、改めて感じました。

個人的には、仁科の相手はもっと別の年配の人が合いそうな気がしてたんですよ。広尾が仁科の心に蒔いた種に水や肥料をやって育てつつ、厳しい寒さや夏の暑さにも耐えられるように見守ってくれる相手。でもスーパーマンじゃなくて、仁科が実らせた詩を誰よりも美味しく食べて、一緒に泣いて笑って栄養にしてくれる、そんな人。でもよく考えたら、これこそ非現実的な王子様でした。ダメじゃん(笑)。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)芸大に通う仁科幸は、詩人を夢見ながらも思い通りの評価を得られず進路に悩んでいた。そんな仁科の前に、留学帰りの同級生、広尾柾史が現れる。行動的で率直、自分と正反対の広尾を敬遠していた仁科だったが、仁科の詩を認め、詩に真剣に向き合わせてくれた彼の存在に尊敬を募らせていった。だがある夜、仁科は突然広尾に抱かれてしまう。その行為は仁科の中に嫌悪ではなく、広尾への愛と渇望を目覚めさせ…。
(Amazon「内容紹介」より)

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