愛、絆されて (ガッシュ文庫)
彫刻家・瀧谷雄治(たきやゆうじ)×老舗旅館若旦那・水城桂(みずきかつら)

《感想》

メガネと和服、合いますね〜。イラストからキャラ属性はツンデレと推測されます。さて、正解は?

過剰にツンツンしてないけどすぐには素直になれない大人のツンデレ、でしょうか。桂は父が傾けた旅館の建て直し中で、恋に全力投入できるほど子供でもありません。特に前半は銀行を相手に再建計画を交渉中で、気持ちも張り詰めた状態でした。だから、瀧谷に惹かれつつそんな自分を簡単に認められなかったんです。

そんな桂の相手である雄治は仕事に余裕があり、桂への好意を素直にオープンにする性格です。桂にあしらわれてもめげず諦めず、芸術家のイメージにありがちなプライドが高い変わり者とはまったく正反対。するっと桂の心の隙間に入り込んで、いつの間にか陽だまりのような存在になっていました。

これに対して、今回当て馬になった桂の元恋人・ロバートは、周りを従わせるタイプ。育ってきた環境がそんな性格をつくってしまっています。本当は桂を何より愛しているはずなのに、政略結婚や旅館の営業妨害など、桂を悲しませ心が離れるような行動ばかりしてることに気付けていません。

ラストでは理性を取り戻したようで、桂の愛情を取り戻そうと日本に乗り込んできてますが、きっと彼には新しい恋人ができるはず。もしかしたら、料理人とか(笑)ね。ちょっとごつすぎる組み合わせかな。

桂のツン具合が良い感じですらっと読めました。必要以上に突っかからないし、ちゃんと感謝も行動もできる、なかなか私好みの受けさんです。自分の気持ちを認めてからは素直なのも、好感度がアップ。キャラにどれだけ入れ込めるかって、やっぱり重要ですね。

ちょっと気になったのは、ラストの4ページでしょうか。ロバートの妨害工作で激減していた客が戻り大繁盛ですが、復活する経緯がまったく書かれてないんです。口コミ妨害だから、信用を回復するのも大変なはず。例えば、反省したロバートの紹介で信用の高い雑誌に取り上げられて正しく再評価されたとか、なにか一言あれば良かったかと。何の説明も無いので、余ったページを埋めるために取ってつけたように感じました。う〜ん、残念。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)ニューヨーク、失恋した夜。ふと気付くと年下男に熱くかき口説かれていた。もう恋はこりごりだと、男をふりきって帰国した水城。多額の借金を抱える老舗旅館を継いで苦心する水城の前に―彼・瀧谷は、現れた。方針の違いから料理長に逃げられた水城は、花板を探していた。その花板を瀧谷が紹介する、というのだ。どんな伝手があるのか水城が訝ると、瀧谷は微笑んだ。「ゆっくり俺の正体を教えてあげる」いつのまにか、年下男の魅力に水城は絡めとられていき…。
(Amazon「内容」より)

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