恋惑星へようこそ (ディアプラス文庫)
高校生・水野文彬(みずのふみあき)×高校生・池上未知也(いけがみみちや)
《感想》
なんともぶっ飛んだ楽しいお話でした。砂原さんてしっとり切ない系orほのぼの優しい系イメージだったんですが、こういう作品も書かれるんですね。そういえば、同じレーベル・同じ絵師さんとの「15センチメートル未満の恋」も、不思議楽しい作品だった気が。今後もこの組み合わせは見逃さないいようにしなきゃ〜。
口が悪くてちょっとおバカだけど根っこは素直で優しい未知也のこところに、スライム状の謎の生物が宅急便で送られてきます。その生物、%*?}||エ・^)ノ*:・゚+*☆は未知也が懐いている先輩だと名乗り、実は宇宙人で体が戻るまで居候させて欲しいと頼んできて…。
と、こんな具合で始まります。記号の羅列は変換ミスじゃなくて本当にこう書かれてて、人間には発音できない宇宙人の本名を無理やり音に置き換えると、未知也曰く「てりゅっぽ」になるんです。なんだか可愛いじゃないですか。
で、未知也の言葉に一喜一憂するこの「てりゅっぽ」がお相手かと思ったら、もう1人。幼馴染で未知也にやたら構ってくる同級生・水野が登場します。出来のよさを見せつけるような言動だった水野が突然柔らかくなり、未知也とも元々仲がよかったので二人の交流は復活。未知也は次第に水野のことが気になり始めます。
さて未知也はどっちを選ぶのか、本文の流れ的には水野だしなぁでもこの「てりゅっぽ」って多分…なんて予想して読んだら、やっぱりそういうことでした。子供の頃の出会いから追いかけてきてアピールしてたなんて、本当に一途だわ。
後半は描き下ろしで、二人で温泉旅行に出かける話。カップル成立後の話なので、お約束のすれ違いと仲直りです。1冊通して2回しかないエロシーンのうち1.5回がスライム姿の触手がお相手ですから、未知也も初心者なのに大変(笑)。残りの0.5回はちゃんと人型相手でよかったねぇ。
ちなみに全人類の半分くらいは宇宙人だそうなので、シリーズ化することも可能ですね。違うぬるぬるカップル、とっても読んでみたかったりして。