ゆうぐれのまち (花音コミックス)
消費者金融勤務・狛江旭(こまえあさひ)×風俗店勤務・桐崎カンナ(きりざき)
※短編シリーズ集です。
《感想》
今住んでるマンションは周囲に高い建物がなくて、見晴らしはとってもいいです。今の季節は夕焼けがとても綺麗に見えて、眺めていても飽きません。でもベランダからなので、寒い〜。
今日のコミックスは、既刊コミックスに収録されている短編の主人公達で丸々一冊描かれています。その既刊「その唇をひらけ」は、前に読んでるはずなんですが、そんな短編あったっけ?と忘れているのは、毎度のこと。覚えてなくても問題なく読めました。
2人は、中学時代の同級生です。借金の取立てで再会したカンナは行き先がなく、旭はしぶしぶ引き受けることに。この旭、一見荒っぽいようで面倒見の良い一面もあり、芯は優しい良いヤツなんですよ。中学時代は野球小僧だったんですが、父親の事業失敗で夜逃げ同然に転校した、という背景があり、深い人付き合いを面倒に思っています。
一方のカンナも家庭や付き合う相手に恵まれなかったようで、「一人が身軽」が信条でした。こんな2人が出会って、少しずつ寄り添って、お互いに影響を与えて小さいながら強く変化して、一緒に前に進んでいく様子が描かれています。
ちょっとしたすれ違いや不安もありますが、ここぞという時には、きちんと言葉にして伝えることが出来るので、大きな亀裂にはなりません。2人とも社会人としての立派な肩書きや財産はありませんが、安心感のあるカップルで、最後までゆったり気分で読めました。このシリーズ、もっと続きが読みたいなぁ。
芳文社 2011-10-29