積木の恋 (プラチナ文庫)
研究医・加賀谷聡(かがやさとし)×恋愛詐欺師・五十嵐蓮(いがらしれん)

《感想》

しっとりだけじゃなく、重いだけでもなく。とても素敵な作品でした。お正月に置いとけばよかったかな。

「子供は親を選べない」といいますが、この話の主人公2人も家庭環境に恵まれませんでした。しかも蓮はそのせいで働き始めてからも理不尽な事が多く、真面目に働くことをあきらめてしまいます。その結果が、自分の魅力的な容姿を生かした男性相手の詐欺師。2人は、カモと犯罪者として出会います。

加賀谷が本当に真面目で一途なんです。傍から見れば、金銭の心配も無く社会的地位もあるという、まさに恵まれた人生。でも、自分を曲げることはしない、とても辛い生き方をしていました。そんな彼が、蓮をひたすら受け入れ愛します。

相手が真摯であれば、自分も自然に本気で対応するようになるのは自然なことで。蓮も次第に加賀谷を心から受け入れ始めます。こうして蓮は足を洗ってハッピーエンド、とならないのが、凪良さんらしいところ。加賀谷の隠し事を知って傷心の蓮を待っていたのは警察で…。犯罪を犯した報いをきっちり受けることに。この結末は、蓮が本当の意味で前に進むには必要な試練だったんじゃないかな。出所した蓮が迎えに来た加賀谷に本音を伝えるまでが、雑誌掲載分です。

文庫には、その後のクリスマス中篇とお正月SSが収録。このクリスマス編が、これまたビターなんですよ。前科者である蓮に対する目が厳しいのが哀しくて、でも自分も同じように警戒しちゃうだろうなって思うのも本音で。蓮の隣にいるのが揺るがない加賀谷で、本当に良かったと感じました。

クリスマスが辛めの分、お正月は甘さ倍増に。着物エロを堪能する2人(※特に加賀谷)が、楽しそう。そういえば本編でも、加賀谷意外とエロ魔人だったような気が。クリスマス編では、蓮の過去や2人の関係を受け入れる親しい友人も出来たことだし、前向きなラストで、すっきり気持ちよく読了できました。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)恵まれない生い立ちから恋愛詐欺師となった蓮は、恵まれすぎている男たちの金を巻き上げることに、なんの罪悪感もなかった。次のカモにと狙ったのは、総合病院の長男である医者の加賀谷。呆気なく騙され蓮に夢中になる加賀谷を、内心馬鹿にしていた。なのに―生真面目で真摯な愛情、穏やかな逢瀬。加賀谷と過ごす優しい時間に、知ることのなかった感情が湧き起こるが…。
(Amazon「内容」より)

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